出版社内容情報
なぜ習近平政権は「再分権」を推進するのか?
80年代の改革・開放政策によって分権が進み、地方の台頭に関心が高まる一方で、90年代半ば以降、中国では中央政府により再び集権が進んだ。現代中国における中央・地方の関係はどのように変化し、またどのように論じられてきたのか。
さらに、分権を進める習近平政権を考える上で示唆となる、地方での政策執行を促進するためのインセンティブ・メカニズムをを考察する。
内容説明
現代中国の中央・地方関係を理解するための視座。中国における一九九〇年代半ば以降の再集権、そして近年推進される「再分権」を検証するとともに、その一方で強化される監視体制や、地方での政策執行を促進するためのインセンティブ・メカニズムを考察し、中央・地方関係の構造を明らかにする。
目次
中央・地方関係をめぐる議論とその課題
第1部 再集権に関する議論についての検証(組織・人事面における再集権の実態;財政面における再集権の実態;未完の再集権)
第2部 再集権の諸問題と「再分権」の推進(再集権の矛盾;再集権の限界;「再分権」の推進とその意義)
中央・地方関係研究における「ゼロサム論」の終焉
著者等紹介
磯部靖[イソベヤスシ]
慶應義塾大学法学部准教授。1998年3月、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。法学博士。日本国際問題研究所アジア太平洋研究センター研究員および長崎外国語大学外国語学部准教授を経て、2009年4月から現職。専攻は現代中国政治。主要著作に、『現代中国の中央・地方関係―広東省における地方分権と省指導者』(慶應義塾大学出版会、2008年:第二五回大平正芳記念賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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