アメリカのナボコフ―塗りかえられた自画像

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アメリカのナボコフ―塗りかえられた自画像

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766425222
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

出版社内容情報

亡命者から「世界文学」への道程を歩んでいった作家の姿を初公開となる膨大な新資料を通じて描きだし、従来のナボコフ像を一新する。これが、『ロリータ』の内幕だ――



 新大陸に移住後、『ロリータ』によってスキャンダラスな形で知られたナボコフは、いかにアメリカの大作家へと上りつめたのか。芸術家、文学者へと意図的に自己イメージを操作しながら、亡命者から「世界文学」への道程を歩んでいった作家の姿を、本邦初公開となる膨大な新資料を通じて描きだし、従来のナボコフ像を一新する。図版多数。

<b>序 章 ナボコフと読者たち(オーディエンス)</b>

 1 ナボコフ、アメリカ上陸/2 新天地でのロシア語活動/3 「ロシ

 ア詩の夕べ」/4 『ロリータ』以後/5 ケンブリッジ凱旋/6 各章

 について/7 亡命者の自画像



<b>第一章 亡命の傷――アメリカのロシアで</b>

 1 亡命、二言語使用、翻訳/2 亡命文学史上の「V・シーリン」/

 3 亡命者たちの英語作家ナボコフ評/4 アメリカのなかのロシア

 で/5 プニンたち/6 ハーヴァード・ヤードの青い芝生/7 「『ロ

 リータ』と題する書物について」は誰のために書かれたか/8 『ドク

 トル・ジバコ』の波紋/9 優雅な生活が最高の復讐である/10 賞と

 名声と/11 自己翻訳の果て/12 「翻訳」という仮面/13 ナボコ

 フは世界文学か?/14 亡命の神話



<b>第二章 ナボコフとロフリン――アメリカ・デビューとモダニズム出版社</b>

 1 アメリカ作家になる方法/2 ただ愛のために/3 パウンドの「啓

 示」とニューディレクションズ誕生/4 セバスチャン・ナイト――近

 代世界の殉教者として/5 ロフリンの歓迎/6 ニューディレクショ

 ンズの販売戦略のなかで/7 ボーン・モダン――アルヴィン・ラステ

 ィング/8 バニー&ヴォロージャ vs 「あのJのやつ」/9 文学とい

 うビジネス/10 送りつけられた「時限爆弾」/11 「時限爆弾」の

 爆発/12 書きかえられた『セバスチャン・ナイト』/13 フェンシ

 ングの親善試合/14 出版界の変革の波にさらされて/15 消えた風

 景/16 「ニューディレクションズの作家」から「アメリカの作家」

 へ



<b>第三章 注釈のなかのナボコフ――『エヴゲーニイ・オネーギン』訳注から自伝へ</b>

 1 『エヴゲーニイ・オネーギン』翻訳と注釈/2 埋めこまれた記

 憶/3 自己言及癖のある語り手/4 注釈――第四章十九連四?六

 行/5 決闘の謎/6 三冊の「回想記/伝記」/7 二度はゆけぬ場所

 の地図/8 記憶の索引(インデックス)/9 「眼鏡」から「貝のか

 たちをしたシガレットケース」へ/10 バトヴォの森で/11 『記憶

 よ、語れ』第三章二節/12 「回想」から「伝記」へ



<b>第四章 フィルムのなかのナボコフ――ファインダー越しに見た自画像</b>

 1 被写体としてのナボコフ/2 「捕虫網をもった芸術家」/3 「愛

 妻家ナボコフ」/4 ぼく自身のための広告/5 そしてアイコンへ/

 6 ナボコフ朝時代/7 「変人」から「セレブ」へ/8 自己移植の時

 代錯誤(アナクロニズム)/9 鏡の国の囚われ人



<b>第五章 日本文学のなかのナボコフ――戦後日本のシャドーキャノン</b>

 1 円城塔――蝶に導かれて/2 ナボコフ日本上陸とその周辺/

 3 丸谷才一 ――モダニズムと私小説批判/4 「樹影譚」――「捏

 造」された「起源」/5 大江健三郎――晩年の傾倒/6 『美しい

 アナベル・リイ』――『ロリータ』を書きかえる/7 隠匿された

 「告白」、「悪霊」憑きのテクスト/8 「マイクロキャノン」と

 しての私小説/9 性と文学――谷崎/川端/ナボコフ/10 ソフ

 ト・パワー戦略の掌中のなかで/11 『ロリータ』を超えて



<b>第六章 カタログのなかのナボコフ――正典化、死後出版、オークション</b>

 1 「欲望」の対象としての『ロリータ』/2 世界一高価な『ロリー

 タ』/3 正典化されるナボコフ/4 売り払われる遺産/5 ドミトリ

 イ・ナボコフ――父の代理人/6 ヴェラの蝶/7 ドミトリイの蝶/

 8 『ローラのオリジナル』のオリジナル/9 刊行ラッシュ/10 在

 庫一掃セール/11 息子の死/12 プライヴェートからパブリックへ



おわりに



アメリカ到着後の年譜と地図

引用元クレジット一覧

図版一覧

索引

秋草 俊一郎[アキクサ シュンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

新大陸に移住後、『ロリータ』によってスキャンダラスな形で知られたナボコフは、いかにアメリカの大作家へと上りつめたのか。芸術家、文学者へと意図的に自己イメージを操作しながら、亡命者から「世界文学」への道程を歩んでいった作家の姿を、本邦初公開となる膨大な新資料を通じて描きだし、従来のナボコフ像を一新する。図版多数。

目次

序章 ナボコフと読者たち
第1章 亡命の傷―アメリカのロシアで
第2章 ナボコフとロフリン―アメリカ・デビューとモダニズム出版社
第3章 注釈のなかのナボコフ―『エヴゲーニイ・オネーギン』訳注から自伝へ
第4章 フィルムのなかのナボコフ―ファインダー越しに見た自画像
第5章 日本文学のなかのナボコフ―戦後日本のシャドーキャノン
第6章 カタログのなかのナボコフ―正典化、死後出版、オークション

著者等紹介

秋草俊一郎[アキクサシュンイチロウ]
1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、ハーヴァード大学研究員、東京大学教養学部専任講師などを経て、日本大学大学院総合社会情報研究科准教授。専門は比較文学、翻訳研究など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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harass

89
作家ナボコフの『文豪・巨匠』イメージをいかにして作家自身が作り上げていったかを論じる研究書。世間的に売れる、名声と収入を得るための彼の戦略の数々。亡命ロシア人小説家から英語作家になるまでや、代表作『ロリータ』の背徳的な内容とは間逆な、蝶収集と妻と家族を押し出す肖像写真や、署名入りの遺品の処理など、初めて知ることが多かった。神格化されがちな作家の俗さに人間らしさを感じてしまう。出版社に怖気づいていたがさほど難しくない内容だった。ナボコフのファンであればオススメ。2020/06/19

ami

4
面白かったです2024/11/24

donut

4
アメリカへと渡ったナボコフがどのように英語作家としての地位を確立していったかを、膨大な資料を参照して描いた大著。亡命者コミュニティからの孤立、出版ビジネス、自己イメージの操作といった、私のような俄かナボコフファンからすれば、あまり知りたくなかったようなナボコフの一面にまで迫っているが、ナボコフに限らず、文学の世界というのはこういうものなのかもしれないとも思ったり…。芸術とビジネスとは、やはり切り離すことのできないものなのだろう。2章が凄く好きで、そのまま映画化して欲しいくらい。2018/10/29

parakeet_woman

3
亡命作家としてのナボコフの姿を知ることができた。恥ずかしながらナボコフに対して「ロリータの人」以上の認識を持っていなかった。薄学な私のケースを踏まえれば、大いに誤解されてきた作家でもあるのかもしれない。彼の短編を読むと亡命作家の背中がありありと見えてくる。青白い炎などの長編ばかり読んできたが、短編を読んだときに彼の印象が、まさに「がらり」と変わった。ここまで「がらり」という擬音語の成り立ちを意識したことがないほどに。短編こそ、ナボコフの神髄を感じることができると思う。2019/07/27

mori-ful

2
研究者はすごい。2025/01/31

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