出版社内容情報
本書は、若手弁護士、ロースクール生・法学部生など、これから特別刑法を学ぼうとする方に向けた、特別刑法の入門書籍。
▼刑事実務に必要なのは、刑法、刑事訴訟法だけじゃない！
覚せい剤、金銭トラブル、性犯罪など……特別刑法の知識は、刑事実務に必須の法律知識。刑事実務に精通する安冨潔弁護士（慶應義塾大学名誉教授）が、特別刑法の入門知識を分かりやすく解説する！
実際の刑事実務を処理するためには、特別刑法の知識は不可欠である。しかし、特別刑法と称される法令の数は膨大である。
本書は、こうした特別刑法のなかから、実務的によく直面するであろう法令を、その場面ごとに分けて厳選した上、コンパクトに解説を加えた特別刑法の入門書。
まずは本書で解説を加えた法令の知識を身につけ、特別刑法を理解する「カン」を培って欲しい。
はじめに
<b>特別刑法とは</b>
○特別刑法とは
○刑法第8条と特別刑法
○特別刑法の刑罰
○本書の分類
<b>第1章 違法薬物と特別刑法の知識</b>
覚せい剤取締法
―― 覚せい剤の所持、使用、輸出入の罪
○覚せい剤とは
○覚せい剤の薬理作用
○「覚せい剤」の意義
○覚せい剤の認定
○覚せい剤所持罪
○覚せい剤使用罪
○覚せい剤輸入・輸出罪、製造罪
大麻取締法
―― 大麻の栽培、所持の罪
○大麻取締法とは
○大麻の意義
○大麻の認識
○大麻の栽培罪
○大麻の所持罪
○営利の目的
毒物及び劇物取締法
―― シンナー販売と摂取の罪
○毒物及び劇物取締法とは
○「毒物・劇物」の定義
○シンナー販売等の罪
○シンナー摂取等の罪
医薬品医療機器等法
―― 危険ドラッグの規制
○薬事法の改正
○指定薬物
○罰 則
麻薬及び向精神薬取締法
―― モルヒネ、コカインなどの取締罰則
○麻薬及び向精神薬取締法とは
○麻薬及び向精神薬の定義
○禁止行為と罰則
麻薬特例法
―― 麻薬・覚せい剤などの取締に関する特例
○麻薬特例法とは
○規制薬物
○罰 則
○手続上の措置
<b>第2章 性犯罪・男女関係と特別刑法の知識</b>
迷惑防止条例
―― 痴漢行為の処罰
○迷惑防止条例とは
○条例における規定の仕方
○条例違反の行為
児童買春・児童ポルノ処罰法
―― 児童買春と児童ポルノの意味
○児童買春・児童ポルノ処罰法とは
○児童買春・児童ポルノ処罰法の処罰範囲
○児童買春行為
○児童の年齢の不知
○国外犯
○「児童ポルノ」の定義
○刑法第175条との関係
○児童ポルノ所持・提供等の罪
ストーカー規制法
―― 「つきまとい等」と「ストーカー行為」
○ストーカー規制法とは
○「つきまとい等」と「ストーカー行為」
○「つきまとい等」とは
○「ストーカー行為」とは
○処罰規定
DV防止法
―― 配偶者からの暴力と保護命令
○DV防止法とは
○法律の概要
○配偶者からの暴力
○生活の本拠を共にする交際相手
○保護命令
<b>第3章 インターネットと特別刑法の知識</b>
携帯電話不正利用防止法
―― 匿名携帯電話の不正利用
○携帯電話不正利用防止法とは
○携帯電話不正利用防止法の目的
○本人確認等
○無断譲渡
○貸与業者の貸与時の本人確認義務等
不正アクセス禁止法
―― 不正アクセス行為と処罰規定
○不正アクセス禁止法とは
○不正アクセス行為の禁止
○他人の識別符号を不正に取得する行為の禁止
○不正アクセス行為を助長する行為の規制の強化
○他人の識別符号を不正に保管する行為の禁止等
○識別符号の入力を不正に要求する行為の禁止等
出会い系サイト規制法
―― 児童誘引の禁止
○出会い系サイト規制法とは
○出会い系サイト（インターネット異性紹介事業）の定義
○インターネット異性紹介事業者
○児童に係る誘引の禁止
リベンジポルノ防止法
―― 私事性的画像記録とその罰則
○リベンジポルノ防止法とは
○私事性的画像記録・私事性的画像記録物
○罰 則
○プロバイダー責任制限法の特例
<b>第4章 金銭トラブルと特別刑法の知識</b>
補助金等適正化法
―― 補助金等不正受交付罪・不正交付罪
○補助金等適正化法とは
○補助金等・間接補助金等の意義
○補助金等不正受交付罪
○不正受領罪と詐欺罪の関係
○補助金等不正交付罪
貸金業法
―― 無登録営業等の罪、取立て行為違反
○貸金業法とは
○無登録営業等の罪
○業務停止命令違反
○取立て行為違反
出資法
―― 高金利・高保証料の罪
○出資法とは
○出資金の受入れの制限
○預り金の禁止
○高金利の処罰
○高保証料の処罰
○保証料がある場合の高金利の処罰
○みなし利息等に関する規定
銀行法
―― 「地下銀行」との関係
○地下銀行とは
○銀行法第61条
○銀行法第61条違反の罪と営利の目的
○「為替取引を行うこと」の意義
<b>第5章 犯罪に使用される物と特別刑法の知識</b>
銃刀法
―― 銃砲・刀剣類の意義と不法所持罪
○銃刀法とは
○「銃砲」
○「刀剣類」
○銃砲刀不法所持罪
ピッキング防止法
―― ピッキング用具所持等の禁止
○ピッキング防止法とは
○特殊開錠用具
○指定侵入工具
自動車運転死傷処罰法
―― 危険運転致死傷罪などの処罰規定
○自動車運転死傷処罰法とは
○危険運転致死傷罪（2条）
○危険運転致死傷罪（3条）
○過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
○過失運転致死傷罪
○無免許による刑の加重
<b>第6章 その他の特別刑法の知識</b>
入管法
―― 不法入国罪、不法残留罪・不法在留罪、不法就労助長罪
○入管法とは
○入管法の罰則
○不法入国罪
○資格外活動罪
○不法残留罪
○不法在留罪
○不法就労助長罪
医師法
―― 医師・歯科医師と医行為
○医師法・歯科医師法とは
○医業・歯科医業
○医行為
軽犯罪法
―― 軽犯罪に該当する主要な罪
○軽犯罪法とは
○主な軽犯罪
主要条文索引
【著者紹介】
安冨 潔
1950年京都生まれ。弁護士（第二東京弁護士会所属）。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士（法学）（慶應義塾大学）。慶應義塾大学名誉教授（前慶應義塾大学大学院法務研究科教授）。京都産業大学大学院法務研究科客員教授。
主要著作に、『刑事訴訟法講義』〔第3版〕（慶應義塾大学出版会・2014年）、『刑事訴訟法』〔第2版〕（三省堂・2013年）、『刑事訴訟法』（Sシリーズ）〔第5 版〕（共著・有斐閣・2013 年）、『やさしい刑事訴訟法』〔第6 版〕（法学書院・2013 年）、『事例演習 刑事訴訟法』（共編・法学書院・2013年）、『クロスオーバー民事訴訟法・刑事訴訟法』（共著・法学書院・2013 年）、『改訂版 擬律判断ハンドブック刑法編』〔第5 刷〕（共著・東京法令出版株式会社・2014 年）、『ハイテク犯罪と刑事手続』（慶應義塾大学法学研究会・2000 年）、『デジタル・フォレンジック事典』〔改訂版〕（共編・日科技連出版社・2014 年）他多数。
内容説明
実際の刑事実務を処理するためには、特別刑法の知識は不可欠である。しかし、特別刑法と称される法令の数は膨大である。本書は、こうした特別刑法のなかから、実務的によく直面するであろうものを、その場面ごとに分けて厳選した上、コンパクトに解説を加えた特別刑法の入門書。
目次
特別刑法とは
第１章 違法薬物と特別刑法の知識
第２章 性犯罪・男女関係と特別刑法の知識
第３章 インターネットと特別刑法の知識
第４章 金銭トラブルと特別刑法の知識
第５章 犯罪に使用される物と特別刑法の知識
第６章 その他の特別刑法の知識
著者等紹介
安冨潔［ヤストミキヨシ］
１９５０年京都生まれ。弁護士（第二東京弁護士会所属）。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士（法学）（慶應義塾大学）。慶應義塾大学名誉教授（前・慶應義塾大学大学院法務研究科教授）。京都産業大学大学院法務研究科客員教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
