出版社内容情報
「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」が越後妻有という“地域社会”にもたらした経済面・社会面での効果を検証する論文集。
▼「大地の芸術祭」は地域に何をもたらしたのか。
2000年から現在までに5回開催され、内外で高い評価を得ている「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」。
この芸術祭が越後妻有という“地域社会”にもたらした、経済面・社会面での効果を検証する論文集。
<b>序 章</b> 澤村 明
1 本書のねらい
2 条件不利地域と中山間地域政策
3 公共事業としての芸術祭
4 大地の芸術祭と地域のソーシャル・キャピタル
5 各章の概要
<b>第1章 大地の芸術祭が行なわれるまで</b>
―― 十日町地域での「ニューにいがた里創プラン」の総括 ――
中東 雅樹
1 はじめに
2 広域行政圏制度の概要
2-1 広域行政圏制度の設立
2-2 広域行政圏の役割の変遷
3 新潟県の広域行政圏と里創プラン
3-1 新潟県の広域行政圏
3-2 里創プランの策定
3-3 市町村合併の推進と里創プラン
4 十日町地域での継続的な実施の理由
4-1 人口構造からみた十日町地域の特異性
4-2 十日町地域における里創プランの特異性
5 まとめ
<b>第2章 大地の芸術祭の概要</b> 澤村 明
1 公共事業主体の第1回開催まで
1-1 十日町圏域について
1-2 開催以前の準備期間
1-3 第1回以降
2 公共支出主体の第2・3回開催
2-1 第2回(2003年)
2-2 第2回と第3回のあいだ
2-3 第3回(2006年)
2-4 第4回への布石
3 自主財源主体の第4・5回開催
3-1 第4回(2009年)
3-2 第5回(2012年)
<b>第3章 大地の芸術祭の経済効果</b>
―― 公共事業の経済効果測定方法 ―― 長谷川 雪子
1 芸術・文化施設やイベントの経済効果測定方法
2 産業連関表を使用した大地の芸術祭の経済効果測定
3 大地の芸術祭のCVM分析の試み
4 まとめ
<b>第4章 大地の芸術祭とソーシャル・キャピタル</b> 鷲見 英司
1 アートプロジェクトによる地域活性化
2 ソーシャル・キャピタルによって地域活性化を評価する意義
3 アートプロジェクトとソーシャル・キャピタルの関係
4 大地の芸術祭とソーシャル・キャピタルに関するアンケート調査の概要
5 地域住民は大地の芸術祭とどう関わっているのか
6 大地の芸術祭との関わりとソーシャル・キャピタルとの関係
7 大地の芸術祭が地域住民にもたらした変化
8 地域住民は大地の芸術祭をどう評価しているのか
9 まとめ:大地の芸術祭の地域活性化効果
<b>第5章 大地の芸術祭と人々</b>
―― 住民、こへび隊、アーティストが創り出す集落・町内のイノベー
ション ―― 寺尾 仁
1 はじめに
2 地域社会の当事者の関係の変容
2-1 集落・町内-住民
2-2 こへび隊
2-3 アーティスト
2-4 小括
3 集落・町内とこへび隊の組織
3-1 組織論の理論
3-2 組織論から見た集落・町内とこへび隊
3-3 小括
4 まとめ―結論と今後の課題
<b>第6章 大地の芸術祭と類似例</b>
―― 瀬戸内、新潟市を中心に ―― 澤村 明
1 他のアートトリエンナーレ等との対比
―横浜、愛知、瀬戸内、新潟市―
2 瀬戸内国際芸術祭―越後妻有をベンチマーキング
3 新潟市の「水と土の芸術祭」の?末
4 第2回「水と土の芸術祭」での見聞
5 行政が外部の専門家に頼るときの課題
6 越後妻有と水と土、瀬戸内
<b>結論 アートは地域を変えたか</b> 澤村 明
1 総論
2 経済効果はあったのか
3 社会的効果はあったのか
4 公共政策としての評価
参考文献一覧
編者あとがき
索 引
【著者紹介】
澤村 明
新潟大学経済学部准教授
1984年九州大学工学部卒業、2001年慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(学術)。東京都庁職員、まちづくりコンサルタントなどを経て、2001年より現職。専門はNPO論、文化経済学。
主な業績:『まちづくりNPOの理論と課題 増補改訂版-その生成とマネジメント』松香堂、2009年:『文化遺産と地域経済』同成社、2010年:『遺跡と観光』同成社、2011年:『東日本大震災の復旧・復興への提言』技報堂、2012年(共著):『都市・地域・不動産の経済分析』慶應義塾大学出版会、2013年(共著)ほか。
内容説明
新潟県の越後妻有地域で3年ごとに開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、地域社会にどのような影響を与えたか、経済効果があったのか、また経済面以外での社会的な効果があったのかを定量的に捉え、地域社会の定性的な変化についても論じる最新研究。
目次
第1章 大地の芸術祭が行なわれるまで―十日町地域での「ニューにいがた里創プラン」の総括
第2章 大地の芸術祭の概要
第3章 大地の芸術祭の経済効果―公共事業の経済効果測定方法
第4章 大地の芸術祭とソーシャル・キャピタル
第5章 大地の芸術祭と人々―住民、こへび隊、アーティストが創り出す集落・町内のイノベーション
第6章 大地の芸術祭と類似例―瀬戸内、新潟市を中心に
結論 アートは地域を変えたか
著者等紹介
澤村明[サワムラアキラ]
新潟大学経済学部准教授。1984年九州大学工学部卒業、2001年慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(学術)。東京都庁職員、まちづくりコンサルタントなどを経て、2001年より現職。専門はNPO論、文化経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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