出版社内容情報
ベースボールが文学・映像作品で表現される際の特徴を分析し、そこに見えるアメリカ文化の姿、希望、“神話”として考察する。
小説・映画から野球文化を読み解く。
アメリカの「国民的遊戯」と称されるベースボールが文学作品や映像作品で表現される際に見られる特徴を分析し、そこに透けて見えるアメリカ文化の姿、人々の希望と欲望、そして“神話”としてのベースボールを考察する。
はじめに―野球例外主義
第1章 ベースボールの履歴書―裏通りから巨大ビジネスへ
バット・アンド・ボール・ゲーム
遊戯の職業化
ニグロリーグ
デッドボールからライヴボールへ
戦争と野球
拡張の時代 ―ナショナル・パスタイムからインターナショナル・パス
タイムへ
遊戯の精神―メジャーだけがベースボールじゃない
第2章 ベースボールの文化表象
パストラルの詩学
郷愁と風刺
皮肉と感傷
神話と野球文学
マジック・リアリズム
第3章 「なぜ書くか」をいかに読むか― 隠喩媒体としてのベースボール
イノセンス
めぐる季節
ノスタルジア
逸話が伝える記憶
パストラルの時空間
マジック・リアリズム
野球と民主主義
アメリカの夢、アメリカ人の条件
野球文学の水脈
第4章 最初の野球映画「最期の試合」
国民的遊戯の創生
走れ、ウィリアム
10 人のインディアン―消えゆく先住民たち
文化的食人―人間からシンボルへ
ネイティヴ・アメリカン・パスタイム
第5章 フィールド・オブ・アメリカン・ドリームス
父と子の和解の物語
テイク・ミー・トゥー・カムデン・ヤーズ
緑がもたらす心の安らぎと経済的成功
J. D. サリンジャーからテレンス・マンへ
ジェイムズ・アール・ジョーンズの数奇な野球人生
見えない人間たち
おわりに
読書案内
【著者紹介】
吉田 恭子
慶應義塾大学文学部准教授。
福岡県出身。1994年、京都大学文学部卒業、1996年、同人間環境研究科博士前期課程修了、2001年、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校英文学科創作専攻博士号取得。
目次
はじめに―野球例外主義
第1章 ベースボールの履歴書―裏通りから巨大ビジネスへ
第2章 ベースボールの文化表象
第3章 「なぜ書くか」をいかに読むか―隠喩媒体としてのベースボール
第4章 最初の野球映画「最期の試合」
第5章 フィールド・オブ・アメリカン・ドリームス
おわりに―野球の明白なる運命
読書案内―ベースボールをさらに読む50点
著者等紹介
吉田恭子[ヨシダキョウコ]
慶應義塾大学文学部准教授。1969年生まれ、福岡県出身。1994年京都大学文学部卒業、1996年同人間環境研究科博士前期課程修了、2001年ウィスコンシン大学ミルウォーキー校英文学科創作専攻博士号取得。英語による創作のかたわら、戦後のアメリカ小説に創作科教育が与えた影響を中心に、現代英語小説の研究を行っている。日本の実験的現代詩と戯曲の翻訳も続けており、野村喜和夫対訳詩集Spectacle&Pigsty(Forrest Ganderと共訳。OmniDawn、2011、ロチェスター大学最優秀翻訳書賞詩部門受賞)などを英訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Yoko Kakutani 角谷洋子/K