出版社内容情報
吉田民人、小室直樹、ロバート・キング・マートン、などとの出会いが、著者独自の「社会化」理論モデル構築に与えた影響を述べる。
吉田民人、小室直樹、ロバート・キング・マートン、リースマン夫妻との出会いが、著者独自の「社会化」に関する理論モデル構築にどのような影響を与えたのか――。
<b>慶應義塾大学三田哲学会叢書</b>
三田哲学会は創立100年を機に、専門的な研究成果を「生きられる知」として伝え、公共の中に行き渡らせる媒体として本叢書の発刊を企図した。
シリーズ名は、ars incognita アルス インコグニタ。
ラテン語で「未知の技法」を意味する。
単なる知識の獲得ではなく、新たな「生きる技法としての知」を作り出すという精神を表現している。
?T―― はじめに 学生・大学院生・助手の時代
1.吉田民人と社会化概念
2.学問を越境する小室直樹 / 小室直樹とシステム論
3.助手時代――研究のネットワークのスタート地点
4.第二次社会化における師弟関係・準拠集団
?U―― 役割関係から社会化過程へ=モデル構成 その一
?V―― 役割集合から役割の複雑性、そして養育構造の複雑性へ=モデル
構成 その二
?W―― 家庭の養育環境の複雑性と単純性
1.はじめに
2.養育役割の母親による独占
3.養育状況の変化
4.養育役割の独占の意味
5.単純な養育環境の子どもへの効果
6.養育環境の複雑性に向けて
?X―― 父親の育児不安
――シングルファザーの問題に焦点をあてて
1.父子家族の父親への注目
2.シングルファザーの育児不安
3.シングルファザーのアイデンティティ不安
4.シングルファザーの社会的不安
?Y―― 小室直樹的機能分析とその先
?Z―― 九〇年代の全国家族調査とインタビュー調査
?[―― 二一世紀に 大学院生との共同研究
コラム / 『三田評論』(二〇〇六年五月) 所収の書評
「海軍主計大尉小泉信吉」
?\―― おわりに
【著者紹介】
渡辺 秀樹
1948年生。慶應義塾大学教授(2014年3月まで)。
東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。
1986年、ハーバード大学社会学部訪問研究員、1998年、ハーバード大学エンチン研究所訪問教授。専門は家族社会学、教育社会学。主な著書に『勉強と居場所――学校と家族の日韓比較』(共編著、勁草書房 、2013)、『いま、この日本の家族――絆のゆくえ』(共著、弘文堂 、2010)、『現代日本の社会意識――家族・子ども・ジェンダー』(編著 、慶應義塾大学出版会、2005)、『現代家族の構造と変容――全国家族調査[NFRJ98]による計量分析』 (共編著、東京大学出版会、2004)ほか。主要論文に「個人・役割・社会――役割概念の統合をめざして」(『思想』686号、1981.8)ほか。
内容説明
家族の構造とその機能分析に関する考え方を、著者は、吉田民人、小室直樹、ロバート・キング・マートン、リースマン夫妻との出会いによって洗練させた。著者独自の「社会化」の理論モデルとは―。第一線の研究者が拓く新たな家族社会学へ。
目次
1 はじめに―学生・大学院生・助手の時代
2 役割関係から社会化過程へ=モデル構成その一
3 役割集合から役割の複雑性、そして養育構造の複雑性へ=モデル構成その二
4 家庭の養育環境の複雑性と単純性
5 父親の育児不安
6 小室直樹的機能分析とその先
7 九〇年代の全国家族調査とインタビュー調査
8 二一世紀に―大学院生との共同研究
9 おわりに
著者等紹介
渡辺秀樹[ワタナベヒデキ]
1948年生。慶應義塾大学教授(2014年3月まで)。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1986年、ハーバード大学社会学部訪問研究員、1998年、ハーバード大学エンチン研究所訪問教授。専門は家族社会学、教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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