内容説明
核戦争の可能性が存在したにもかかわらず、朝鮮戦争やヴェトナム戦争などの「熱戦」を経験することとなったアジア。そこでは、度重なる危機のなかで、核兵器の脅威が、威嚇や抑止のための道具として東西両陣営で何度も利用され、関係諸国の戦略的判断にも大きな影響を及ぼした。主戦場といわれたヨーロッパ以上に大国の「戦略」が激しくぶつかり合ったアジア冷戦を、諸国家の国益とパワー行使に焦点を当てて論じる。
目次
第1部 アメリカの対外戦略とアジア冷戦(トルーマン政権期における「冷戦戦略」の形成とアジア冷戦の始まり―対ソ脅威認識を中心に;アイゼンハワー政権移行期の東南アジア政策―PSB D‐二三の形成と変容、一九五二~一九五三年;大量報復戦略下の東アジア)
第2部 アジア冷戦形成期の朝鮮半島と日本(米軍の南朝鮮進駐―間接統治から直接統治へ;朝鮮戦争における対立構造の起源―満洲における治安戦との連続性;戦後日本の防衛政策(一九五一~一九五二年)―「Y委員会」を中心として)
第3部 アジア冷戦を俯瞰する(東アジアにおける冷戦とアメリカの大戦略―オフショア・バランシング論の観点から;歴史・戦略・道徳―正戦論の視座からの批判的検討)
著者等紹介
赤木完爾[アカギカンジ]
慶應義塾大学法学部教授。1953年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了。法学博士
今野茂充[コンノシゲミツ]
東洋英和女学院大学国際社会学部准教授。1975年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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