内容説明
対抗宗教改革がもたらした新しい権力構造や精神的背景とは―君主国における中央政府と地方の間の相互作用とは―ルネサンスからバロックへの移行が王朝の権威強化に与えた影響とは―中欧の姿が大きく変容する十七世紀。政治、社会、文化的織糸が複雑に絡み合いながら、統一国家へと華々しき結束をむかえる。およそ六〇〇年続いたハプスブルク王朝の基礎を築く一時代の深奥を描く大作。
目次
第1部 全体像としてみた中欧近代の進展(暁天の幻影 一五五〇‐一六〇〇年―ルネサンスと宗教改革;宗教的・政治的危機 一六〇〇‐五〇年;社会的・精神的危機 一六〇〇‐五〇年;統合強化 一六五〇‐一七〇〇年―レオポルト一世とその王朝国家)
第2部 中央と地方(オーストリア―ハプスブルクの心臓部;ボヘミア―限定的受容;ハンガリー―限定的拠絶;ドイツ帝国―限定的覇権)
第3部 知的基盤(カトリック的学問の解剖;学識魔術との妥協;民衆的魔術への攻撃;普遍計画)
著者等紹介
エヴァンズ,R.J.W.[エヴァンズ,R.J.W.] [Evans,R.J.W.]
1943年生れ。イギリスのチェルトナム出身。オックスフォード大学近代史欽定講座教授(1997‐2010)。ケンブリッジ大学ジーザス・カレッジを卒業。1969年よりFellow of Oriel College,Oxford。FBA(英国人文社会科学系学士院特別会員)。専門は近世・近代の中欧・東欧史、ウェールズ史
新井皓士[アライヒロシ]
1941年生れ。小田原出身。一橋大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(独語・独文学)。専門は言語情報解析、文体統計論、近世ドイツ言語文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。