内容説明
質量ともに豊富な池田の学問を受け継いだ井口樹生。井口の綴る陰影の濃い深みのある文章によって、池田彌三郎が生涯にわたってなした仕事の意味が明らかにされている。折口学を継いだ池田・井口の数十年にわたる記録として貴重な一冊。
目次
第1部 昭和四十六年~昭和五十六年(死者の声―ノート整理を終えて;ぷろふぃーる池田彌三郎;還立の詞 ほか)
第2部 昭和五十七年~平成四年(逝去まで;随身誄詞;魚津青島 ほか)
第3部 対談 池田彌三郎×井口樹生(わたしの中のフォークロア;芸能史の制約と組織)
著者等紹介
井口樹生[イグチタツオ]
1934年東京生まれ。58年慶應義塾大学文学部を卒業。同大学院文学研究科博士課程修了後、上智大学助手を経て、76年慶應義塾大学文学部助教授77年教授となる。文学博士。2000年在職のまま逝去。文学部時代から一貫して池田彌三郎に師事。専攻は古代国文学・芸能史
藤原茂樹[フジワラシゲキ]
1951年東京生まれ。1973年慶應義塾大学法学部、75年文学部を卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。1978年慶應義塾高等学校教諭、1980年以降神戸山手女子短期大学国文科助教授・教授、大谷女子大学国文学科教授を経て、2000年慶應義塾大学文学部教授。専攻は古代国文学、古代芸能(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
5
池田彌三郎へのインタビュー含む「折口学というものは芸能史なんだね。…同時に、柳田先生がタッチしないからね。芸能は折口先生に任せちゃった。柳田先生は柳田先生で、芸能はイコールフォークロアではないと言っているわけだ。都会のものもはいってくるし、上からの権威があると。だから、巷間芸能みたいな、ごくフォークロアと密着したような芸能をやるだけで、柳田先生のほうは結局、『民俗学手帖』みたいなものを出せば、芸能の項目は西角井正慶さんが担当するというように、柳田先生の直系の人たちからは、いまだに芸能の研究者は出てこない」2024/08/09
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