演劇場裏の詩人 森鴎外―若き日の演劇・劇場論を読む

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  • サイズ A5判/ページ数 243,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784766419382
  • NDC分類 770.4
  • Cコード C3074

内容説明

一八八四~八八年のドイツ留学中、若き森鴎外は、ライプツィヒ、ドレースデン、ベルリン、ミュンヒェンといった都市の劇場に足しげく通い、観劇体験を重ねた。「劇場は唯準に高尚なる官能にのみ委ねたる場」とゲーテの言葉を訳出・紹介し、舞台上演を人の感性に働きかける「詩情の発揮の場」と高く評価していた。帰国後発表された演劇をめぐる鴎外の文章は、当時のヨーロッパの新聞・雑誌・著作と対話を交わした結果であり、独自の視座から日本の演劇状況に改良を求める野心的なものであった。本書は、日独のオリジナル資料を文献学的アプローチのうえ詳細に分析し、日本の演劇の近代化をめざした若き文豪の演劇・劇場論を再構成する試みである。

目次

第1章 一八八〇年代のドイツと鴎外の観劇体験―劇場と制度
第2章 都市と劇場―安全な劇場をめぐる言説
第3章 演劇の近代―欧化主義と国粋主義の対立を超えて
第4章 言文をめぐる論争と演劇翻訳―逍遙と鴎外
第5章 演劇とオペラ―「美」を語る地平へ
補章 鴎外と慶應義塾

著者等紹介

井戸田総一郎[イトダソウイチロウ]
1950年生まれ。明治大学大学院文学研究科・文学部ドイツ文学専攻教授。元慶應義塾大学経済学部教授。73年、慶應義塾大学経済学部卒業。75年、同大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻修士課程修了。78年、同大学大学院博士課程満期退学。88年、アーヘン工科大学大学院文学研究科においてDr.phil.の学位取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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rbyawa

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k026、演劇の本を読むと人物から語り始めてだんだん境目が曖昧になっていくものと(人間の流動が激しすぎて把握は無理)、劇場の近代化から語るものがあるがこれは後者の最たるもので欧州の劇場のスタンダードから始まっている、若干手に余ったけどね!! 鴎外なのでドイツメインで、日本はフランスに多く範を取っているので多少事情が欠けてるところもあるかな。演劇改良論が行き詰まった辺りまで把握してから読むといい感じ、突き詰めるタイプで細かくなりすぎるところがあるように思うがことが劇場の構想で反論として語られてるといい感じ。2020/06/09

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