内容説明
漢詩との出会いが、人生を変える。「宿昔青雲の志、蹉〓(だ)たり白髪の年(青雲の志はならず、いつのまにか白髪の年になる。)」―しかし、嘆くばかりでもない。人生の経験は感性を豊かにし、書物の知性を深く受けとめることができる。若い時にはない楽しみも出てくる。その一つが、漢詩作りの楽しみ。自身のルーツや海外の旅先、愛読書の世界、閑適の日々を詠む漢詩と随筆。
目次
第1章 隠退(隠退;「我がルーツ」調べ ほか)
第2章 海外を詠む(イングランド;スコットランド ほか)
第3章 愛読書を詠む(新・平家物語;太平記 ほか)
第4章 閑適を詠む(竹裏の茅舎;故郷残照 ほか)
著者等紹介
竹中淑子[タケナカヨシコ]
1940年、福岡県生まれ。九州大学理学部数学科卒。大阪大学基礎工学部助手、慶應義塾大学工学部専任講師、慶應義塾大学経済学部教授を経て、慶應義塾大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mijas
50
数学の教育と研究に40年、漢詩作りに4年という著者のエッセイ集。月、風、雲といった自然の風物、人の喜怒哀楽、人生の詠嘆、愛読書の世界が詠まれる。海外の旅先で詠まれた漢詩が印象的。テムズ河の波頭の月華やスコットランドの白薊など、情景がまるで絵画のように浮かんでくる。グリーグの「ソルヴェイグの歌」やシューベルトの「冬の旅」に寄せた漢詩は、溢れる涙が泪流と化すという情感たっぷりの詩想。詩中の言葉が美しい。漢詩の言葉は唐代の詩語集にあるものを使わなければいけないが、美を大切にするからこその規則なのだと思う。2016/01/28
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