出版社内容情報
埴谷雄高に最期まで寄り添い、逝去直前まで対話を続けてきた著者が、録音テープをもとに1995年11月13日から1997年2月19日逝去直前までの埴谷の肉声をありのままに伝える。埴谷雄高の文学・思想を形成したものは何か。哲学小説の傑作 『死霊』 が生まれた理由が、彼自身の日常言語によって語られる。
内容説明
「君は僕のことを活写しておいてください。杖をついてどう出て行ったか、どんな姿で戻ってきたか」全身全霊をかけ、その生涯を捧げた形而上学的小説『死霊』を未完のまま我々に残した、戦後日本文学の孤高の存在、埴谷雄高。埴谷は、最期に、何を語ろうとしたのか。1995年11月12日から1997年2月19日逝去直前までの、繊細で、強靱な埴谷雄高の思索を、次世代へリレーする。埴谷雄高、最期の言葉。
目次
第1部 埴谷全集の新しいイメージ(著書の整理;先祖を語る;戦後、埴谷家のダンスパーティ ほか)
第2部 文学は人の心から心に伝える(「僕のことを活写しておいてください」;生命は短く芸術は長し;文学は人の心から心に伝える ほか)
第3部 武士道と哲学(哲学のパラドックス;『ソクラテス以前哲学者断片集』;「オーム・マニ・パドメ・フーム」 ほか)
著者等紹介
白川正芳[シラカワマサヨシ]
1937年、福岡県大川市生まれ。慶應義塾大学中退。特選塾員。文芸評論家、作家。國學院大学、東京経済大学講師。第22回日本文芸大賞受賞。また文壇屈指の碁打ちとしても知られる。34期、36期、38期、39期文壇本因坊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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