内容説明
企業社会の実態が大きく変化し、会社法の大幅改正が行われるなど、生きた商法研究の重要性がますます高まっている。本書は、慶應義塾大学商法研究会が同大学紀要『法学研究』に掲載してきた下級審商事判例(平成6年‐10年)の評釈をまとめたものである。
目次
第1編 総則(商法四三条の商業使用人に該当する鉄鋼製品取引担当の部課長が権限を濫用した場合につき善意の相手方に対する会社の責任が肯定された事例;営業譲渡を受けて設立した会社が取引関係者に対し人的・物的設備を承継し設備配管の事業を承継する旨の挨拶状を配布した場合と商法二八条の適用の有無 ほか)
第2編 会社(株式会社;合資会社 ほか)
第3編 商行為(投資信託受益証券の譲渡担保差し入れを受けたことにつき、証券の善意取得成立の有無;豪雨による丘陵崩落事故により旅館の駐車場に駐車されていた宿泊客の自動車が土砂を被って損害を受けた場合につき、商法五九四条に基づく旅館経営者の責任が認められた事例 ほか)
第4編 保険(損害保険代理店が保険料保管のために開設した専用口座の預金債権が保険会社ではなく代理店に帰属するとされた事例;従業員を被保険者とする会社締結の団体定期保険等における被保険者の同意の意義 ほか)
第5編 手形・小切手(支払委託撤回後の支払呈示に応じた銀行の不当利得返還請求の可否)
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