内容説明
公益(パブリック・インタレスト)を官に全面的に委ねてきた近代日本社会が変革を迫られている現在、NPO、NGO、民間財団、ボランティア等シヴィル・ソサエティの力が不可欠となりつつある。明治以来最大の実業家・財界人でありかつ「公益の追求者」渋沢栄一の精神に則り、各界の著名人が日本社会への提言を語る。
目次
1 渋沢栄一と新公益論(新しい公益の担い手としてのシヴィル・ソサエティ―渋沢栄一記念講座の枠組みと展望;渋沢栄一の今日的意義;個の確立と新しい公の創出)
2 新しい公益に根ざす外交のあり方(シヴィル・ソサエティの国際貢献;グローバル・ガバナンスへの日本の貢献と国連の協力;日本外交の新しい枠組みとしての人間の安全保障)
3 教育と社会福祉への新しい取り組み(福祉政策の進展と新しい公益;渋沢栄一に学ぶ教育、社会福祉の分野におけるシステム作り;渋沢栄一と福沢諭吉―新しい時代の人材育成)
4 公益に貢献するための民間企業の活性化(企業と公益;転換期における日本経済と企業経営)
著者等紹介
渋沢雅英[シブサワマサヒデ]
(財)渋沢栄一記念財団理事長。1950年、東京大学農学部卒業。1964年、(財)MRAハウス代表理事に就任。1970年よりイースト・ウエスト・セミナー代表理事を務めた。日本外国語研究所代表理事でもある。1982~84年まで英国王立国際問題研究所客員研究員。1985~86年、1989~90年、アラスカ大学客員教授。1992~93年、ポーランド州立大学客員教授、1994年~2003年まで学校法人東京女学館理事長・館長を務めた
山本正[ヤマモトタダシ]
(財)日本国際交流センター理事長、慶応義塾大学法学部訪問教授。1970年に(財)日本国際交流センターを設立。米国セント・ノーバート大学を卒業後、ウィスコンシン州マーケット大学院より経営学修士号取得。日米下田会議、アジア・ダイアローグ、日欧会議等、政策課題を中心に日本と諸外国との相互理解と協力関係を推進する事業を実施。その後、三極委員会のアジア・パシフィック・ディレクター、日英21世紀委員会、日独フォーラム、日韓フォーラムの幹事委員、公益信託「アジア・コミュニティ・トラスト」運営委員会委員、日本NPOセンター理事を兼任。1999年には「21世紀日本の構想」懇談会幹事委員を務めた。日米経済関係グループおよび日米諮問委員会の日本ディレクター、日韓21世紀委員会幹事委員、国際文化交流に関する総理大臣私的懇談会委員を務めた。1990年、ドイツ連邦政府よりドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章、1998年、英国政府より大英勲章(C.B.E.)、2003年、オーストラリア政府よりオーストラリア名誉勲章(AO)を受章
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