内容説明
13世紀に建国され、16世紀には世界最大・最強の国家に成長したオスマン帝国。しかし、18世紀には「ヨーロッパの瀕死の病人」となり、1922年ついに瓦解した。翌年には帝国を継承したトルコ共和国が誕生した。わが国は、明治期からトルコとの直接的な交流をもつようになる。本書は、一つの国家の崩壊と、新しい国家の誕生という激動のトルコを実際に旅した明治・大正期の日本人の紀行文、日記などを通じて、近代トルコの魅力的な素顔を紹介する。
目次
第1章 はじめての日本人―福地源一郎と島地黙雷
第2章 国交樹立への手がかり
第3章 「エルトゥールル号」遭難のあと
第4章 明治が生んだ熱血漢―山田寅次郎
第5章 三人の学者
第6章 アナトリア横断―家永豊吉
第7章 文豪が観察したオスマン帝国―徳富健次郎
第8章 文人外交官―笠間杲雄
第9章 初代大使小幡酉吉の事績
第10章 異色の外交官―芦田均
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
4
半分以上物見遊山の記述だが、それでも時代を超えて感じる文章もあった。2020/04/29
玲
0
学術的な本ではなく読み物として捉えなければならない。その理由は、情報の出所・出典が書いていないこと、章単位や全体のまとめとして何らかの法則性や結論を見出すのではなく、いくつかの手記を羅列したに過ぎないということ、そもそも史料としている手記が主観の域を脱せずトルコの街の史料を使って手記の内容の検証を行っていないことがいえる。この見聞録から一歩進んで、トルコの都市史や風俗史について客観的史料を用いて検証しなければ論文としては不十分だと思う。2009/09/26




