内容説明
日本国民の心理を代弁する人物を選び出し、日本人の立場から見たアメリカのイメージを考察する。まず前編でとりあげるのは、近代日本でとくに有名なジャーナリスト徳富蘇峰。後編では、昭和戦前期に影響力のあった評論家をとりあげ、前編で論及できなかった日米未来戦争論を中心として分析を進める。
目次
前編 近代日本人の一典型としての徳富蘇峰とアメリカ(日露戦争をめぐる親米感情の表出;日露戦争後における日米親善の期待と挫折;ウィルソンの国際理想主義への反応;満州危機をめぐる欧米との疎隔感と心理的葛藤;日中戦争をめぐる米英打倒の願望;太平洋戦争期の高揚感と不安)
後編 昭和戦前期の言論人とアメリカ(1930年ロンドン海軍会議と平田晋策のアメリカ観;『少年倶楽部』のアメリカ像;池崎忠孝の日米戦争宿命論;日中戦争下における蝋山政道の英米認識)