内容説明
読書の味わいを酒に譬えるなら、黙読はようやく美酒の香りに触れるにすぎないが、「朗読」すれば、じっくりと心潤い、ほのぼのと胸奥に泌みて、全身に感動の灯をともす。本書に収録の文章は、いずれも人生の深淵に臨んだ作者が、愛憎、悲傷、憤怒、沈思、そのぎりぎりの心情を吐露した珠玉の名品である。
目次
1 漂泊詩情(詩情―千曲川旅情の歌(島崎藤村)
消滅―思へば遠く来たもんだ(中原中也) ほか)
2 愛惜情念(愛惜―智恵子抄(高村光太郎)
浪漫―みだれ髪(与謝野晶子) ほか)
3 主義主張(警鐘―もなるき(福沢諭吉)
宣言―元始女性は太陽であった(平塚らいてう) ほか)
4 ルサンチマン(怨念―女工哀史(細井和喜蔵)
厭戦歌―戦友(真下飛泉) ほか)
5 生き方航路(人生―わが人生論(武者小路実篤)
忠誠―忠誠登録(藤島泰輔) ほか)
著者等紹介
浜野成秋[ハマノセイシュウ]
1941年、大阪府堺市生まれ。慶応義塾大学文学部英文学科卒。在学中より『慶応文芸』に小説を発表。以来、映画・テレビ評論、アメリカのポストモダン作家論を『三田文学』『海』『新日本文学』などに、また、小説を『三田文学』『文学界』『海』などに発表、今日に至る。文芸書として『父の宿』『別れる季節』『かまぐれ』『若者よ明日香の国は』『心は孤独な旅人』(以上、日本優良図書出版会)がある。日本ペングラブ会員(国際委員)。日本朗読文学会会長。ニューヨーク州立大学客員教授、一橋大学、早稲田大学、東北大学講師・助教授、明星大学教授を経て、現在、日本女子大学英文学科教授
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