内容説明
古来、森は神秘の謎をまとう聖地とされてきた。そしてそこは魔女の住まう処…。聖なる森の奥深く無数の樹木が作り出す深淵なる魔法の世界をのぞく…。本書では、森にまつわる物語、樹木から作られる薬の処方、おまじない、伝説を手がかりに、魔女の棲処たる森の不思議を深く掘り下げています。世界の巨木、神木50種以上。カバノキでできた箒の柄、聖なるオリーブから、ハンノキの玄関扉や生命の木まで、実に多彩で謎に満ちた神秘の植物。本書で森の木々について見ていくと、樹木という、自然界で最も高貴な植物が、神話でどんな風に扱われ、魔法でどんな風に位置づけられてきたか、深く知ることになるでしょう。王立植物園キューガーデン所蔵の美しい絵画やイラストを交え、樹木の伝説や迷信、それらが息づく森の秘密を解き明かします。英国王立植物園キューガーデン植物標本収録。
目次
第1章 古代の森
第2章 世界樹
第3章 1年の節目
第4章 管理された森
第5章 魔法の森
第6章 病気やケガの癒やし
第7章 聖なる森
第8章 利口な女性の貯蔵室
第9章 魔鏡
第10章 希望の樹
著者等紹介
ローレンス,サンドラ[ローレンス,サンドラ] [Lawrence,Sandra]
ロンドン出身の作家兼ジャーナリスト。数冊の歴史書を上梓し、『マリ・クレール(Marie Claire)』や『カントリーライフ(Country Life)』などの雑誌にも寄稿している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
144
古代~中世にかけて、大きな森は崇め奉られていました。産業革命に伴う森林破壊で様々なモノが失われ、森に対する意識が変わりました。 しかし定番のマンドラゴラが登場しなかったのが、不思議です。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000360.000084584.html2024/04/08
☆よいこ
78
分類653。王立植物園キューガーデン所蔵のボタニカルアートを挿絵にし、その他多くの絵画や古書の挿絵を交えて、樹木にまつわる伝説や民間伝承をまとめたもの。情報量は多いが浅く広い▽p72「英語のforest(森)はラテン語で”外側”を表すforisから来ています。そこは立ち入り禁止の土地でした」森への侵入者は法律の外、アウトローとなった▽不思議で不気味なエピソードが多く描かれている。シリーズに『魔女の庭』『魔女の森』がある。参考文献リスト巻末索引あり。2024.4刊2024/06/10
桜絵
5
いろんな樹木の紹介が緻密なイラストとともにあって、さながら植物図鑑。ただ、その紹介はその樹木にまつわる世界各国の伝説や神話なのだ。 現代ではそれぞれの効能が研究されているが、その事実がまだ何もわからない時代はどうしていたか。魔女や医者、主婦たちが口伝で、あるいは伝説の形で伝えていった。昔の樹木はもっと神秘的な意味合いが大きかったのかもしれない。 初版本だったため誤字が多かったし、イギリスの作家ゆえに欧州の話が多かったが、ほかのシリーズ作品も読みたいと思った。2025/06/10
Hanna
2
世界の民俗と樹木との関係がいろいろと。ようやく魔女が出てくる第9章では、「歴史的に、魔術はキリスト教の教会の敵として、実生活に入り込んだちゃちな悪党というイメージにつきまとわれてきました。」と記述。・・・「ちゃちな悪党」に思わず二度見( ̄▽ ̄;)2024/05/12