内容説明
凱旋門やエッフェル塔、シャンゼリゼ大通りなど、誰もが知る名所と同じように、街で目にするありきたりなものたちの些細な「ディテール」がパリを感じさせることがあります。歩道の石畳、アパルトマンの彫刻、飾り格子、通りの名が刻まれたプレート、街灯、看板、カフェ…、それらすべてのデザインエレメンツ、またそこから生まれる「空気感」が、パリの街を形づくっているともいえるでしょう。他のどの街にもパリと同じ風景はありません。「一番パリらしいパリ」を伝える、街中にある「無数の小さくて平凡なものたち」の写真集です。
著者等紹介
アジュオルジュ,シルヴァン[アジュオルジュ,シルヴァン] [Ageorges,Sylvain]
写真家。写真によるパリのルポルタージュをフランスで多数刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜子
11
パリの風景というより、少し拘ったところにポイントを置いている写真集。私的には、ドアノブと鍵穴、看板のページがとても好み。色や形がかわいい。どこを撮っても絵になりそう。2020/02/23
おとん707
8
パリの街並みの写真集ではあるが風景写真ではなく街を構成するパーツ、看板とか窓とかサインとか道路標識とかマンホールとか、とにかくディテールに注目した写真集。こういう企画はとかく散漫になりがちだが、街灯なら街灯だけ、カフェの看板ならカフェの看板だけというように1ページずつ同じ種類のものを3枚から9枚集めて組写真にしているところがミソ。これによって単独の写真よりはるかにインパクトが強くなっている。観ていてパリの路地の匂いが漂ってくるような気がした。これは面白い。私もカメラを持って東京の街で試してみたい。2022/11/22
高宮朱雀
3
一つのモチーフに対して、幾つものパターンが展開されるという、発想や創造の抽斗を開けるような本。 初見だと物足りなさを感じるのに、読み重ねるごとにモチーフの持つ雰囲気や朽ちたような色彩など「我が道を行く!」的な深みにどっぷりとハマってしまうから恐ろしい。 単純に街並だけでない内容が気にいっていて、逆にこの日本ならではの街並や色彩のエロスを知りたくなる。 古い物を取り払う事だけでなく、地域と共存させる為の取り組みって今後もっと必要になるかも知れない。2018/04/21
の
2
パリをパリたらしめている、街中にある無数の「小さくて平凡なもの」の写真集。歩道の石畳やマンホール、アパートの表札や商店街の看板など、街の中で見かけるもののディティールを撮影し、花の都パリの「空気感」を体験する。些細でどこにでもありそうなものなのに、どれもよくよく見るとパリでしかない独特な趣がある。マンホールには細かな彫刻がなされると共に、公共物らしく「持ち出し禁止」や「ガス管」などの説明文が付け加えられ、両者のバランスが取れることで自由なパリの一部となっている。エッフェル塔よりも、街並みを楽しんでみたい。2017/07/11