内容説明
神童、天才、変人、軽薄な人生を送って一文無しで死んだ男…。比類のない美しい音楽をこの世に生み出した作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトをめぐる神話。その陰に、彼が生きた人生の事実は長い間埋もれてしまっている。モーツァルトという人間は忘れられ、伝説と驚異的な音楽の遺産だけが遺されているかのように。この本は、アーティストのドノヴァン・ビクスレーがモーツァルトに捧げる魅力的かつとても私的なオマージュである。ドノヴァンのモーツァルト像は、天才作曲家に対する見方を根本から変えてしまうだろう。モーツァルトの人と世界が、100点近いオリジナルのイラスト(50点以上はカラー)によって鮮やかにいきいきとよみがえり、モーツァルトの成功と絶望、笑いと涙を伝えてくれる。
著者等紹介
ビクスレー,ドノヴァン[ビクスレー,ドノヴァン][Bixley,Donovan]
ニュージーランドのオークランド技術大学アート・デザイン学科で学んだ。ニュージーランドの美しい町タウポに、妻のジョアンナとミナ、ゾーエ、スパークルの3人の娘たちと一緒に暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobi
38
原作の主人公と少しイメージの違う俳優が演じている映画を見る感じはあるけれど、どのシーンも印象的。カメラアングル、ライティング、衣装、表情、道具立て…に隙なく、そこに時代と場の空気、モーツァルトの生気、憤懣、傷心が見える。そのイメージを掻き立てたという彼の手紙にスピード感と失意困窮を突き抜けてしまうパワーを感じる。残念なのは一部著者の手が加わっている点。ベートーヴェンとの出会い等どこまでが事実かどうか分からないのがもどかしい。読後付属のCDを聴く。何度も耳にしているのに、ああもうその音楽は天空を駆けている。2017/01/03