内容説明
剣を握った時から、人は人を傷つけるようになった。ペンを握った時から、人は人に愛を綴るようになった。ゲーテが「外に出た頭脳」と呼んだ「手」に握られたペンの先からは、それぞれの人の想いがこもる個性的な文字がじかに紙面に現れ、息づいた文が綴られていく。誰もがペンは剣よりも強く、文は人なりという言葉を実感する。パソコンで打ち出される誰のものとも知れず、記号でしかない文字に飽き足らなくなった人々は、いま再び自分の手が握る万年筆で自分の文字を書くことの素晴らしさに気づき始めた。いい万年筆を持てば必ず何かが書きたくなり、何を書けばいいかがわかってくる不思議さ!これはその魔法を示す書である。
目次
選ばれた指先の使者たち(オマス「ボローニャ」CM‐LXXX8;デルタ「ヴェネチア」;アウロラ「ユビレウム」 ほか)
美しき文字への誘惑社たち(アウロラ;ヴィスコンティ;ウォーターマン ほか)
筆跡でしのぶ文化人の面影(ハンス・クリスチャン・アンデルセン;シャルル=ルイ・ドゥ・モンテスキュー;ジェームス・ワット; ほか)
万年筆の手入れについて
ペンは剣よりも強し
著者等紹介
白岩義賢[シライワヨシカタ]
1934年生まれ。中央大学仏文科卒。国際情報社、自由国民社などを経て1961年に中央公論社へ入社。同社の『婦人公論』誌、『マリ・クレール』誌などの編集部次長を歴任し、1993年に退社。以後エッセイストとして多岐にわたり執筆、講演を行っている。1994年より6年間中央大学学院講師を務め、現在は横須賀市生涯学習財団理事、同市市民大学講師。またオーディオ評論家、ワイン研究家、料理研究家、旅のエッセイストでもあり、「国際ワイン&スピリッツ会議」のメンバーとして現在会員数150名のワイン・ソサエティ「サン・ヴァンサン」の会長を務める
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