内容説明
処理・処分の技術が進んだ現代では、ごみや屎尿の行く末に無関心な人がますます増えています。本書は、失われようとしている記憶や資料、施設・道具、風俗・習慣、および忘れ去られようとしている歴史的事実あるいは技術的成果の流れなどを掘り起こし、ごみ・屎尿にまつわる文化的側面にスポットをあてながら紹介したものです。
目次
プロローグ―ごみと屎尿の文化
1 ごみの文化史
2 屎尿の文化史
3 ごみと屎尿の技術史
4 トイレの文化史
5 有価物から廃棄物へ
6 人物誌
7 発展途上国における屎尿事情
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
15
図書館で借りる。新刊ではないが、この本があるのが気づかなかった。たまに図書館で本を探すのも良い。この本は、ごみと屎尿について多方面から考察された本であり、文化となっているので、歴史や世界の様子などが紹介されている。様々な人が関わっているので、章によって雰囲気が違う。そもそもごみという語源から話があり、そういえば、実家では、「ごもく」といっていたのを思い出す。最近はトイレも綺麗で衛生的な生活を送れているのは、先達の努力であると感じるか。全然知らなかったが、屎尿分離の便器がなるほどと思われる構造であった。2018/01/08
ごみくず
1
通読1★4.過去の政治的な文献や文学及び映画作品などに登場する屎尿とごみについての内容を引用しながら、衛生観念や活用法の発展を明確にしていく。衛生文化の発展はある意味人の命の重さに比例する為、住民は搾取の対象だった平安時代と平和になった江戸では屎尿やごみの再利用や衛生を配慮した街づくりなど、文化の発展がみてとれる。堆肥化の放熱を静岡の使った促成栽培や、江戸のゴミ捨て場『十万坪』、昭和になって朝鮮戦争で物資不足になった韓国にごみが売れた日本、大量消費によるチリ紙交換回収、なぜ日本人は排便で座るのか等2024/05/16
未来来
0
ごみと屎尿について、その歴史や民俗、処理等といった様々な話題に触れています。ごみより屎尿の話の方が心なしか多いような気がしました。屎尿をごみと考えた場合はごみの方でしょうが。全体の比重としては民俗学的アプローチ寄り。各話題毎に著者が異なりますが、重複箇所は少なかったです。トイレと屎尿で章は分けられていたり入り乱れていたりして、構成は若干読み辛く感じられました。専門的になり過ぎず、かといって雑学止まりでもない程々の内容です。《大学図書館》2010/02/01
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