目次
序章 自然人類学とは何か
第1章 自然界におけるヒトの位置
第2章 進化過程とヒトの特性
第3章 適応のしくみと変異
第4章 変異と個性
第5章 ヒトらしさ
著者等紹介
真家和生[マイエカズオ]
1952年東京都に生れる。1974年東京大学理学部生物学科卒業。1976年同大学院理学系研究科修士課程修了。1976年同博士課程中途退学。京都大学霊長類研究所を経て、1981年より大妻女子大学に勤務。大妻女子大学教授。理学博士。専門は自然人類学。ヒトの歩行時のエネルギー代謝や床反力の解析、各種動作の筋電図や足跡化石の解析、また体温調節機能と民族服など生理学的側面からの人体の研究を行ってきた。最近では、さらに比較形態学、比較生理学、進化史的視点から「ヒトらしさ」の起源を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「酸臭や酸味が哺乳類にとって腐敗臭や腐敗味であることはすでに述べたが、腐敗臭の一種である酢(酢酸)について見ると、ヨーロピアンコーカソイドの嗅盲頻度は約2~3%であるが…日本人の酢についての嗅盲頻度は約40%であるという。精度の悪い実験ではあるが、この数値はきわめて高い。…食品が腐敗しやすい日本の環境で、酢による腐敗防止法として寿司や酢の物が発達した背景に、日本人の酢に対する異常に高い嗅盲頻度があると考えられる。酢に対する嗅盲頻度の低い他の国々では、唐辛子やカレー粉などを腐敗防止に用いたのであろう。」2025/04/10
Book shelf
2
人類学は文化人類学と自然人類学に分けられる。自然人類学は生物としての人間を研究対象とし、進化や遺伝、化石人類などを扱う。本書ではその自然人類学を掘り下げた内容で、自身の研究で必要なリンネの分類や進化論について書かれていた前半のみ読んだが、後半は適応の仕組みや身体構造など理系色が強くなる。文系出身の私としては後半は入門とはいえ難解だった。2023/12/06
MIRACLE
0
自然人類学の教科書。専門的な用語が飛び交っていて、難解な内容だった。興味深い情報も多く、記述に工夫もある。しかし、専門性が過剰なまでに高い箇所も多くあって、教科書としては、内容にバランスを欠いている。2013/04/27