内容説明
いちばん恐ろしいのは、工学鑑定のものの見方が、司法の場で理解されないこと!力学法則・物証の整合性…工学鑑定により嘘か真か今明らかになる。前著につづく十七の鑑定録。
目次
物的証拠の読み方
物理法則との整合性
不可解な警察の事件処理―つくられた自殺事故!?
活魚運搬車のブレーキペダルが外れた
ハイドロプレーニング事故
沈没事故の本当の原因
日本的談合社会による偽装工作
歩行者事故の衝突地点はどこか?
車両火災の原因
疑問の衝突地点
偽装・玉突き事故
工学鑑定vs.法医学鑑定
ゴルフカート死亡事故
破損の方向が意味すること
常識の盲点―ブランコ首吊り事故
「交通事故鑑定人」本の批判
著者等紹介
林洋[ハヤシヒロシ]
1931年、東京生まれ。技術士(機械部門)。自動車メーカー開発部門技師、(財)日本自動車研究所研究員を経て、1985年に独立、(有)林技術事務所を開設。以来、専ら、交通事故の工学鑑定に従事している。日本技術士会、日本機械学会、自動車技術会、日本交通科学協議会各会員。2002年から水戸地方裁判所・司法委員
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
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「第4話活魚運搬車のブレーキペダルが外れた」塩水で濡れた長靴で運転席に入りペダルを足で操作することとの関係。事故鑑定は予防措置についての見解は概括的。製造者はペダルの損傷状況の確認方法の提供,整備担当者は製造者からの情報による整備。運用者は塩水で濡れた靴での乗車の場合には塩水ではない水洗いの励行。技術的な原因ではない事象についての工学的鑑定の難しさ。事故調査の仕組みを確立。事故が多発するので事故調査が手薄になるという悪循環。損害保険会社、警察、事故当事者、法律,裁判所、技術的な調査能力の均衡が必要。 2013/08/28