出版社内容情報
《内容》 種々の看護理論を検証・照合し,「実践で理論をどのように活用しているのか,またできるのか」「対象者の状況に合わせてどの理論を活用すればよいのか」などを興味深い事例や実習体験を紹介しながら平易に説き明かす。
看護の実際・実習で患者を理解し,よりよいケアを提供していくために,また「看護研究」にも大いに役立つ一冊。
第1章 看護理論の歴史的展望を概観しながら、理論と実践のつながりについて述べ、日本の現状における理論活用の問題点と有効な活用方法についての方向性を示す。
第2章 看護過程の6段階を,NANDA分類法II(アセスメントツール)についての説明と、内科疾患を持つ患者の事例を示しながら述べていく。
第3章 患者と看護師の人間関係をスムーズに進めていくための方法として、トラベルビーの「人間対人間の看護」の概念枠組みの活用を事例を用いて述べる。
第4章 常にストレスフルな状況に遭遇する人間が、ストレスにどのように対処しながらその人らしく生きていこうとしているのかを理解するために、ラザルスの理論枠組みを示しながら、事例を展開していく。
第5章 急性骨髄性白血病で骨髄移植の選択に様々な不安を抱えている患者と学生との係わりについて,フィンクの危機理論を提示して指導した事例を述べていく。
第6章 精神看護学の看護実践を支えるオレム‐アンダーウッド理論の活用で、病により大きく影響を受ける患者のセルフケア行動について、豊富な情報を活用しつつ、目の前にいる患者の「いま」に焦点をあてて看護をした事例を紹介しながら説いていく。
《目次》
1章 看護学教育における「看護(理)論」の位置づけ
1.「手懸かり」の位置に在る「看護(理)論」
2.「自己自身を問う営み」へつなげる「看護(理)論」
3.「理論(Theory)」とは何か?
4.柔軟な姿勢で微調整が必要な「看護(理)論」
5.影響しあう理論・学問とその時代の思想
6.実習から研究としての指導にシフトする「看護(理)論」
7.「看護過程」に「根拠」を与える「看護(理)論」
8.理論の構造・論理的な思考過程を学ぶ「看護(理)論」
9.「体系づけ」の目を養う機会となる「看護(理)論」
10.現状における「理論」のレベルと分類
11.「一般システム理論」と「ダブルバインド理論(double bind theory)」
2章 看護過程-NANDA分類法IIを使用して-
A.看護過程とは
1.看護過程の定義
2.看護過程展開の意義と目的
B.看護過程
1.アセスメント
2.看護診断
3.成果
4.計画
5.実施
6.評価
事例
3章 ジョイス・トラベルビーの「人間対人間の看護」
A.トラベルビーってどんな人,影響を受けた人は誰?
B.トラベルビーの「人間対人間の看護」
1.看護の定義
2.目的から見た看護の定義
3.看護師の定義
事例
4章 ラザルスのストレス・コーピングの活用
A.「ストレス」という概念の歴史
1.生理学的(生物学的)ストレス
2.心理社会的ストレス
3.現代のストレス論
B.コーピング
1.コーピングとは
2.ラザルスのコーピングについて
3.対処の機能(対処のプロセス)
4.適応的な結果
5.実践に活用するための理論的枠組み
C.ストレス・コーピングの活用
事例
5章 対象者の理解と関わり方を導く危機理論の活用
危機理論とその活用状況
1.危機の概念
2.危機理論の経緯
3.看護における危機理論と危機モデル
4.危機モデルの特徴
5.危機モデルを活用するときの注意
6.看護実践能力を高めるための危機理論の活用方法
7.看護学生が危機理論を学ぶ機会
8.看護学生が学習する危機理論
事例
6章 オレム-アンダーウッド理論を用いた精神看護
A.理論について
B.分析ステップ
事例
解題 「検証」としての看護理論研究の動向
1.看護理論「検証」への灯火
2.「看護理論」研究の動向
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