出版社内容情報
《内容》 I.実務・法律編:
1.事例紹介:過去の判例(約140件),最近の主な医療事故事例(約112例)を紹介し,そこから重大事例(27例)をピックアップしてさらに詳しい解説を加えた.
2.マニュアル:医事紛争,医療事故,裁判に遭遇した場合に当該医師はどう対応するか,同時に病院当局・院長・部長医師等はどう対処するか,等.
3.法律:日頃から知っておくべき医師賠償責任保険の知識,医師やコ・メディカルの法的責務等.
II.裁判事例編:
29例の裁判事例:MRSA感染症,癌化学療法,RSD,内視鏡手術事故,組織標本の所有者,保険診療にまつわるトラブル等,最近の話題を取り上げて,判決文の要旨を提示しつつ,丁寧な解説を加えた.
難解になりがちな司法関係者による類書と違い,臨床医にも理解できるように丁寧かつ平易な文章を心掛けた.
《目次》
実務・法律編
1章 医事紛争の現状と動向
2章 医事紛争化の要因と背景
3章 患者側のクレームとその対応
1 口頭によるクレームとその対応
2 文書によるクレームとその対応
4章 医療事故発生時の対応
1 医療事故発生時の初期対応
2 医療事故発生後一段落してからの対応
5章 医事紛争処理システムと医師賠償責任保険
1 医師会での紛争処理システム
2 医師会以外での処理システム
3 医師賠償責任保険
6章 医師の法的責務
1 診療義務(医師法19条1項)
2 診断書等の交付義務(医師法19条2項)
3 診療録の記載・保存義務(医師法24条1項・2項)
4 療養保健指導義務(医師法23条)
7章 コ・メディカルの法的責務
1 保健師・助産師・看護師の法的責務
2 その他のコ・メディカルの法的責務
8章 医療事故と法的責任
1 医療事故に伴う法的責任概観
2 医療事故と民事責任
3 医療訴訟事件の手続き的流れとその対応
4 医療事故と刑事責任
5 医療事故と行政処分
9章 医療事項防止の実践的留意事項
1 コミュニケーションの充実強化
2 情報共有化の促進
[対患者側との情報共有]
[医療従事者間の情報共有]
3 患者の主体的医療参加を推進
4 安全確保のための周辺整備
裁判事例編
1章 MRSA感染症と医療裁判
病院の感染防止対策は万全か
2章 癌化学療法と医療裁判
抗癌剤副作用の知識なくして癌治療を行うのは危険
3章 RSDと医療裁判
RSDを知らずしてRSDを論ずる勿れ
4章 内視鏡検査・手術と医療裁判
内視鏡検査・手術は簡単・容易・安楽と考えてはならない
5章 臓器移植と医療裁判
臓器移植には新たなトラブルが潜んでいる
6章 組織検査と医療裁判
外科的疾患では組織検査による病理診断は欠かせない
7章 組織標本と医療裁判
組織標本は誰の所有物か
8章 保険診療と医療裁判
保険診療にまつわるトラブルから学ぶ