出版社内容情報
【感染症からSNS投稿まで! 時系列現象の解析ツール】
統計スポットライト・シリーズの第6巻。感染症や地震、SNSの投稿といった自然現象や社会現象を時系列のイベントととらえ、その起き方をモデル化して各現象の解析や将来予測につなげる主な手法に「点過程」と呼ばれる確率過程と「状態空間モデル」がある。
本書は主に点過程について、大学初年度で学ぶ数学知識のみで理解できるよう解説した入門書であり、状態空間モデルについても概略を述べる。その応用として、COVID-19の感染拡大/ 収束の指標値を推定する方法についても紹介。イベント解析手法を身に付けたい初学者の方は必読!
目次
1 イベント時系列の記述
2 一様ポアソン過程
3 リニューアル過程
4 非一様ポアソン過程
5 点過程の一般論
6 カウント時系列モデル
7 状態空間モデルによるイベント時系列解析
8 応用
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shin_ash
5
要するに点過程の時系列解析入門なのだが、説明が丁寧で最終的には状態空間モデルに接続するので、時系列分析の全体像がわかりやすい。冷静に考えれば当たり前かもしれないが、観察モデル=点過程、状態モデル=線系ガウスモデルとすると点過程と離散系時系列モデルが繋がることに改めて気付かされた。これを振り返ることで、観察モデルにも線形を仮定したカルマンフィルタとの違いも理解できる。さらに状態モデルに線型ガウスを仮定しない考え方も理解できる。その上でこれを解くこと、解くためのパラメータ推定の方法も整理して解説している。すぐ2023/11/26