出版社内容情報
ソローによる夕べと夜の自然への誘い。月に寄せる奇想と癒しの表現。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そり
18
夜が好きだ。もっといえば月が出ていないといい。暗くて、空と地の境界線はぼやけ、統一されたとき。とおい、とおい過去を強く意識できるような気がする。きっと、同じような安らぎを誰かもここで感じていたのだろう、と。月は明るい。ソローも言っている。「昼間の薄い残光のような白い光が多すぎるのではないか」と。しかし、後にこう言う。「夜の中へより深く入ってゆくと、その光はふさわしいものとなった。」昼間、僕は森をきれいだなと思いながら歩く。でも、そのきれいさは全てではなかった。↓2017/03/07
kasmin
9
ソローに近づきたくて。念願のバードウォッチングへ。早朝の森林の空気は冷たく澄んでいます。街では見られない珍しい鳥達の声に心が浮き立ちました。ソローのように鳥を愛してやまない鳥博士に導かれながら、見つけてはじっと見つめる。キュートな愛らしい仕草にクラクラです。こんな楽しみや感動もあるのだと、緩やかに心が満たされてゆきました。自然の流れと一体化するようなソローの生き方は真似られなくても、観察を重ねてこの先も彼らの様々な場面に遭遇し、愛でてゆけたらと願います。月の下の彼はよりロマンチックでした。生誕二百年目に。2017/02/09