内容説明
本書は、複雑多岐に渡り、衆目の論議の必ずしも一致しないロレンスの文学とその思想の真髄を、西欧従来のアポロ的世界観から脱したディオニュソス的発想に存するものと捉えて、主としてその宇宙観、死生観をめぐって論究したものである。
目次
1 ロレンス、曼陀羅―序章・その宇宙観をつむいで(虹のアーチ;溶解の暗い川 ほか)
2 「てんとう虫」、講読―ディオニュソスとオシリスの回帰をさぐって(「てんとう虫」創作の背景―序説;「てんとう虫」を読む―本説)
3 『死んだ男』、講読―イエスのオシリス的復活をみつめて(『死んだ男』誕生の周辺―序説;『死んだ男』を読む―本説)
4 ロレンス、雪月花―その心象と象徴の意味をめぐって(序の節;雪の節あるいは死と文明 ほか)
5 ディオニュソス、復興―結章・人と文明の再生をもとめて