感想・レビュー
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ta_chanko
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佐藤康人『東京裁判における嶋田繁太郎の国家弁護論』。「ハル・ノートはアメリカが日本に突きつけた最後通牒」という通説は、実は東京裁判の中で海軍側弁護団やアメリカ人弁護士が合作でつくり出したものだった。この主張により、「露骨な自衛戦論」を封印しながら巧みに「国家弁護論」と嶋田海軍大臣の「個人弁護論」を展開し、海軍・嶋田・天皇の戦争責任を減免し、陸軍に責任を押し付けることに成功。実際には海軍は「無通告開戦」を外務省に強く要求していたにもかかわらず。「ハル・ノート」は最後通牒ではなかった。交渉も可能だった‥2023/07/15