内容説明
膨大な史料をもとに、陸軍航空の草創期を本格的かつ系統的に明らかにした実証研究。組織とイノベーションの関係を考えるうえでも示唆に富み、今日的なインプリケーションも多く含む。近代日本の軍事史研究に必読の書。
目次
序章
第1章 初期陸軍航空の実情と課題
第2章 第一次世界大戦、シベリア出兵と陸軍航空
第3章 陸軍航空発展の契機
第4章 陸軍航空の近代化
第5章 陸軍航空の独立と外部資源活用の模索
終章 帝国陸軍の航空建設期における課題と対応の分析
付録
著者等紹介
松原治吉郎[マツバラジキチロウ]
防衛省防衛研究所企画部企画調整課。1976年生まれ。東京大学経済学部卒業、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程修了、政策研究大学院大学博士課程(安全保障・国際問題プログラム)修了。博士(国際関係論)。2000年防衛庁(当時)に入庁後、防衛政策局防衛政策課、運用企画局国際協力課、財務省国際局調査課、防衛省人事教育局人事計画・補任課、防衛装備庁法務室などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kk
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新たなテクノロジーの登場に際し、国や軍事組織はその戦術的・戦略的ポテンシャルにどう向き合っていくのか。そんな問題意識の下、航空技術の登場・発達に対して旧陸軍が如何なる認識・姿勢でどのような努力を払ったか、一次史料を博捜して実証的に示そうという試み。海のものとも山のものとも知らぬ技術が欧州大戦の教訓研究等で次第に関心を集め、財政上・行政上・産業上の様々な制約の中、着実に地歩を占めていく過程を精緻に考証。人事管理や整備補修等の面にも適切に目配り。実務面にも着目した、アバウトでない視座。研究史上の大きな功績。2023/05/01