出版社内容情報
本書では、防空法を中心とした民防空の国民保護政策としての歴史的意義を検証し、今日の防災へと繋がる「教訓」を明らかにする。
第一部 研究の進め方
第一章 問題の所在
第二章 先行研究
第三章 研究の必要性
第四章 防空法とはどんな法律だったのか
第五章 研究の進め方
第六章 用語の整理など
第二部 空襲への準備
第一章 「組織・訓練」
第二章 「空襲判断」
第三章 事前の防御措置
第三部 空襲時の対処
第一章 「監視」「通信」「警報」
第二章 「燈火管制」
第三章 「偽 装」
第四章 「消防・防火」
第四部 空襲後の処置
第一章 「応急復旧」
第二章 空襲に際する防疫対策
第三章 防空法の災害対処
第五部 民防空政策と国民保護
参考文献
あとがき
索 引
人名索引
事項索引
大井昌靖[オオイヨシヤス]
主な著書
「桂太郎と『統合参謀本部』―「世界最古の統合参謀本部」を崩壊させた桂の建議は何を意味していたのか―」(『海外事情』第60巻10号、2013年10月)
「米国の弾道ミサイル防衛の趨勢―第二期オバマ政権におけるイージスBMDの動向―」(『海外事情』第62巻4号、2014年4月)
「明治期の海軍における軍法会議の適用に関する一考察―艦船の衝突・座礁等の事故に対する刑罰・懲戒処分を中心に―」(『軍事史学』第50巻第1号、2014年6月)
「NATOの進めるミサイル防衛―ウクライナ情勢によるロシア対策に影響されなかったミサイル防衛 ―」(『海外事情』第62巻4号、2014年12月)
「イスラエルのミサイル防衛―ロシアが探知・公表した標的ミサイル発射試験の意味するもの―」(『海外事情』第63巻4号、2015年4月)
「明治期の日本海軍の海難救助―海軍の実施した海難救助の実態を中心に―」(『軍事史学』第52巻第1号、2016年6月)
内容説明
本土空襲に備え、昭和12(1937)年に成立した防空法を中心とする「民防空政策」。焼夷弾火災に対する「敢闘精神とバケツリレー」に象徴される防空法は、国民に負担を強いるだけの悪法のように論じられてきた。しかし、防空法は、「監視、通信、警報、燈火管制、分散疎開、転換、偽装、消防、防火、防弾、防毒、避難、救護、防疫、非常用物資の配給、応急復旧」という空襲の流れを網羅し、準備から空襲後の処置・復旧にまで対処するように定められている。消防・防火の失敗だけで評価することが本当に妥当なのか?本書では、防空法を中心とした民防空の国民保護政策としての歴史的意義を検証し、今日の防災へと繋がる「教訓」を明らかにする。
目次
第1部 研究の進め方(問題の所在;先行研究;研究の必要性;防空法とはどんな法律だったのか;研究の進め方;用語の整理など)
第2部 空襲への準備(「組織・訓練」;「空襲判断」;事前の防御措置)
第3部 空襲時の対処(「監視」「通信」「警報」;「燈火管制」;「偽装」;「消防・防火」)
第4部 空襲後の処置(「応急復旧」;空襲に際する防衛対策(「防毒」「防疫」「応急復旧」「給水」「清掃」)
防空法の災害対処(「救護」「非常用物資の配給」「応急復旧」))
第5部 民防空政策と国民保護
著者等紹介
大井昌靖[オオイヨシヤス]
2等海佐。防衛大学校防衛学教育学群准教授。1962年生。1985年防衛大学校卒。同年海上自衛隊入隊。護衛艦「みょうこう」、旧技術研究本部(現防衛装備庁)、防衛省防衛政策課などで勤務後、2010年から現職。2011年放送大学大学院修業、2014年拓殖大学大学院国際協力学研究科後期博士課程(安全保障専攻)満期退学。一方で、地域活動に励み、横須賀市消防団、子供会会長、中学校のPTA会長を経験。現在は、町内会役員を務めるとともに地域の子供に祭囃子を教える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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