内容説明
ゲリラ戦争という名の脅威に自信満々で挑みながら、具体的な対応をめぐる政権内部の軋轢、あるいは南ベトナムとの摩擦などに直面するケネディ。華々しく船出した反乱鎮圧戦略が崩れ落ちてゆく中、ややもすれば現実から目を背け、あるいはその責めを負わせる何者かを求めようと懊悩するケネディ。若き大統領がその死の日まで、もがき苦しんだものとは?大国による軍事介入の象徴であるベトナム戦争に軍事史的側面から迫る。
目次
序論 泥沼の起源
第1部 ゲリラ戦争の主役―代理戦争が直面した壁(南ベトナム政府軍の惨状;空転する強化策;仮面の下で;戦士育成の傷害;通常化された軍隊;アメリカ式戦争の実験室)
第2部 ハーツ・アンド・マインズ―政治戦争における齟齬(国家建設競争の焦点;戦略村の光と影;暴走するジェム政府;新種の戦争;反乱鎮圧への反乱;軍事化に拍車)
第3部 真実の模索―情報戦争をめぐる苦悶(悲観と楽観;深まる溝;情報飢餓の根源;ワシントンの網膜;統計との格闘;自己欺瞞の病理)
結論 超大国敗北への里程標
著者等紹介
松岡完[マツオカヒロシ]
1957年熊本県生まれ。1980年東京大学教養学部教養学科卒業。1986年筑波大学大学院社会科学研究科修了(法学博士)。1988年立命館大学専任講師。1991年立命館大学助教授。1994年筑波大学助教授。2002年筑波大学教授。現在、筑波大学人文社会系教授。専門はアメリカ外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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