内容説明
博士の精神的基盤となっていた神道論や神道観を理解する選り抜きの論文・講演類、十九編を収録。
目次
1 神道総論(神道の本質;神道の眼目;神徳;神道の自主性;受難の神道;皇学指要)
2 神社の歴史(神仏関係の逆転;伊勢神宮の信仰;雲に入る千木;三輪山;外交の祖神;東照宮の造替に就いて;靖國神社総説)
3 歴代の御聖徳(天智天皇の聖徳;後鳥羽天皇を偲び奉る;順徳天皇を仰ぎ奉る;後醍醐天皇の聖徳を仰ぎ奉る;孝明天皇の聖徳;明治の大御代)
著者等紹介
平泉澄[ヒライズミキヨシ]
明治28年(1859)2月16日福井県大野郡(現勝山市)平泉寺で誕生。第四高等学校を経て大正7年(1918)東京帝国大学文科大学国史学科卒業、同大学院進学。同10年大阪の森下逸子と結婚。同12年同大学専任講師、同15年文学博士・助教授。昭和5年(1930)欧州留学。同十年教授。同20年辞職。同59年2月18日帰幽(満八十九歳)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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衛府蘭宮
1
戦前戦後を問わず、講演や(ややライトな)論文などを収録。神道総論、神社の歴史、歴代の聖徳の三部に分かれる。そのうち、平泉澄の神道観が現れているのが神道総論であるといえよう。歴代の聖徳の各章は天智、後鳥羽、順徳、後醍醐、孝明、明治。後醍醐と孝明を、忠臣を光り輝かしめた点で高く評価しているのが特徴的である(平泉が孝明天皇に詳しく言及しているのは珍しいのでは)。中でも「後醍醐天皇の聖徳を仰ぎ奉る」は、惹きこみ「感激」を呼び起こすが如き講演であり、平泉澄の何が人々に訴えかけたのかを知りたい方にお勧めである。2018/11/27