出版社内容情報
《内容》 高山の自然は多くの人々を魅了し,近年,トレッカーの数は増加している.また同時に遭難をはじめとする山でおこる事故もあとをたたない.本書は,一般登山者ならびにトレッカーはもとより登山を指導する立場にある方々に携行していただきたい一冊である.「登山中に起こり得る症状」や「疾病をもっている人」の登山,「救急処置法」等を,登山に習熟した臨床医がわかりやすく解説 《目次》 1 登山医学概論―山で体をこわさないために―1.普段のトレーニング2.山でケガをしないための注意事項(1)転ばぬ先の杖/(2)歩き方/(3)下り坂では走らない/(4)行動中は軍手をはめる/(5)火傷/(6)凍傷/(7)雪盲/(8)日焼け/(9)靴擦れ・まめ3.山で体調を崩さないための注意事項(1)山での服装/(2)風邪の予防/(3)低体温症の予防2 登山中に起こりうる1.非特異的症状(1)発熱/(2)全身倦怠感/(3)食欲不振/(4)浮腫(むくみ)2.呼吸器系の症状(1)咳と痰/(2)呼吸困難・胸部痛3.循環器系の症状(1)胸痛/(2)動悸/(3)起坐呼吸/(4)乏尿4.消化器系の症状(1)腹痛/(2)下痢/(3)悪心・嘔吐/(4)吐血・下血5.神経系の症状(1)意識障害/(2)運動失調/(3)行動異常/(4)睡眠障害/(5)頭痛/(6)運動麻痺/(7)感覚障害/(8)けいれん発作6.整形外科的症状(1)関節痛/(2)筋肉痛/(3)四肢のしびれ感/(4)ザック麻痺3 登山中に発病し得る疾患[1]非外傷性疾患1.呼吸器系の疾患(1)高所性の咳/(2)感染性疾患/(3)アレルギー性疾患/(4)高地肺水腫/(5)肺血栓塞栓症/(6)自然気胸/(7)異常呼吸2.循環器系の疾患(1)急性心筋梗塞/(2)脳血管障害/(3)発作性頻拍3.消化器系の疾患4.神経系の疾患一過性脳虚血/高血圧性脳症/脳卒中/脳硬塞/脳出血/クモ膜下出血/頭部打撲による頭蓋内出血/脳炎,髄膜炎/高所脳浮腫5.内分泌系疾患(1)糖尿病6.腎臓疾患(1)腎臓疾患:横紋筋融解症7.アレルギー性疾患(1)気管支喘息/(2)アレルギー性鼻炎・結膜炎(花粉症)/(3)アトピー性皮膚炎・蕁麻疹8.歯科的疾患[2]外傷性疾患1.骨折ならびに整形外科的疾患(1)骨折/(2)脱臼/(3)捻挫/(4)挫傷2.熱傷3.頭頚部外傷(1)頭皮の損傷/(2)頭蓋骨の損傷/(3)頭蓋内の損傷/(4)頚部の損傷4.胸部外傷5.腹部外傷6.軟部組織外傷挫傷/擦過傷/裂創/刺創/重度挫滅創/消毒/出血/浮腫/水泡/腱損傷/指切断[3]環境要因による疾病1.凍傷2.低体温症3.熱中症4.高山病(国内山行を想定)急性高山病の診断・治療/高地肺水腫の診断・治療/日本の高地肺水腫の特徴/現場でできる検査/高地肺水腫の検査所見5.紫外線障害(日焼け・雪盲)(1)日焼け/(2)雪盲6.咬傷,刺傷4 疾病をもっている人の登山における注意1.高血圧症2.呼吸器系の疾患(1)気管支喘息/(2)慢性呼吸器疾患/(3)肺がん/(4)肺血栓塞栓症・原発性持続性肺高血圧症/(5)睡眠時無呼吸症候群/(6)自然気胸/(7)睡眠薬常習者3.胃・十二指腸潰瘍4.虚血性心疾患5.脳卒中後遺症6.腎臓病(1)持続性たんぱく尿・血尿症候群/(2)慢性腎炎症候群/(3)ネフローゼ症候群/(4)糖尿病性腎症/(5)ループス腎炎/(6)腎硬化症・高血圧性腎障害/(7)多発性嚢胞腎/(8)小児腎疾患7.手術後の登山8.がん9.高齢者一般10.妊娠と登山11.小児疾患(1)循環器疾患/(2)気管支喘息/(3)てんかん/(4)糖尿病12.小中高校生の集団登山(1)車酔い/(2)気管支喘息発作/(3)便秘と下痢/(4)急性高山病/(5)ハチ刺症/(6)マムシ咬傷,ダニ咬傷/(7)捻挫・脱臼/(8)靴擦れ,まめ5 登山中に必要な救急処置法1.人工呼吸法と心臓マッサージ2.医師が随行する場合3.登山で有効な漢方薬6 登山中における栄養をめぐる諸問題(1)登山中のエネルギー消費量/(2)炭水化物の重要性/(3)栄養補給の方法/(4)登山中の脱水量/(5)水分補給の方法/(6)高所での栄養補給7 ヒマラヤ高所医学[1]高所医学概論[2]高所医学各論1.急性高山病2.高所肺水腫3.高所脳浮腫[3]高所トレッキングの注意予防接種の準備(1)ネパール(ヒマラヤ)/(2)パキスタン(K2,ナンガパルバットなど)/(3)中国(天山山脈,チベットなど)/(4)タンザニア(キリマンジャロ)/(5)ボリヴィア(アンデス)/(6)先進国(アメリカ,カナダ,ヨーロッパなど)開発途上国で問題となる主な疾患(1)食べ物が原因/(2)蚊が媒介する病気/(3)水浴びで感染/(4)不用意に素足で歩かないこと/(5)動物が媒介する病気[4]高山病の治療概論[5]高山病予防概論1.高所順応トレーニングの意義と効果(1)日本の山を利用した高所順応トレーニング/(2)低圧シミュレータを用いた高所順応トレーニング2.高山病の予防法
内容説明
登山に関する医学書としてこの本は、医師・登山愛好者のための“安全確保の道しるべ”です。まず最初に『山で体をこわさない』ようにするための医学知識について述べています。
目次
1 登山医学概論―山で体をこわさないために
2 登山中に起こり得る症状
3 登山中に発病し得る疾患
4 疾病をもっている人の登山における注意
5 登山中に必要な救急処置法
6 登山に携行したほうがよい医療器材と医薬品
7 登山における栄養をめぐる諸問題
8 ヒマラヤ高所医学
著者等紹介
松林公蔵[マツバヤシコウゾウ]
京都大学東南アジア研究センター教授
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