出版社内容情報
《内容》 日本でも社会問題になりつつある肥満は,高血圧,糖尿病,高脂血症を引き起こし,その結果心臓病,脳卒中,一部の癌などの成人病を発症させ,多くのひとの命を奪原因となる. 本書は,肥満研究のうち体脂肪分布についての最近の知見を,主に一般臨床家を対象にまとめたものである.また,肥満に関心をもたれる栄養士や看護婦,ある程度の医学的な基礎知識を持たれる学生や一般の方々でも十分利用できるように心掛けた. 《目次》 序章2章 肥満と体脂肪分布1.肥満と健康障害/2.体脂肪分布とその臨床的意義3章 体胎肪分布の計測1.身体計測/(1)皮脂厚/(2)周囲長/(3)その他の体脂肪分布の指標/2.CTスキャン,核磁気共鳴(MRI)ポジトロン/(1)CTスキャン/3.その他の計測方法/(1)写真による体形判定/(2)超音波断層/(3)軟X線撮影/(4)核磁気共鳴映像(MRI)/(5)ポジトロン放射断層(PET)/(6)Dual photon-absorptiometry(DPA)4章 体脂肪分布の正常値1.性差/2.成長期の変化/3.加齢による変化/4.人種差/5.日本人における正常値5章 体脂肪分布に影響を与える因子1.遺伝学的側面/2.肥満/3.食事/4.アルコール/5.喫煙/6.運動/7.安静時エネルギー消費量/8.社会経済的階級および教育水準/9.ホルモン/(1)性ステロイド/(2)副腎皮質ホルモン/(3)カテコールアミン/(4)成長ホルモン/10.薬物6章 体脂肪分布と代謝異常と疾患1.糖尿病/2.高脂血症/3.高血圧症/4.虚血性心疾患/5.脳血管障害/6.癌/(1)乳癌/(2)子宮内膜癌/(3)卵巣癌/7.胆嚢疾患/8.ストレス/9.その他の疾患,異常/(1)痛風,高尿酸血症,尿酸結石/(2)多血症/(3)血液凝固異常/(4)関節障害(anthrosis)/(5)静脈瘤/(6)月経異常,不妊症,女性多毛症,多嚢胞卵巣症候群/(7)呼吸障害/(8)脂肪肝/(9)慢性腎不全/10.全脂肪率,寿命/11.代謝異常,疾患を起こすメカニズム/(1)身体部位による脂肪細胞の相違/(2)遊離脂肪酸説/(3)視床下部説/(4)遺伝因子による修飾7章 腹部型肥満の治療