内容説明
旧約聖書は多種多様な文書からなり、多様な読み方に応える内容を備えている。旧約聖書が書き物(エクリチュール)としてわれわれに提示されている以上、いかなる読み方にもそれなりの権利がある。しかし旧約聖書がイスラエル民族による世界の新たな意味づけとして制作されたことを考えれば、この書物をこの民族が試みた文化創造の記録として受けとめる姿勢がまず読者に期待される。本書の諸論文の根底にはイスラエル民族の文化創造に対する関心が据えられている。この民族における知識人のあり方を問う姿勢が本書に一貫しているのはそのためである。またそれは、この国の文化創造を課題として意識するからである。
目次
1 旧約聖書とは何か
2 旧約聖書における教育
3 旧約聖書の自然観
4 イスラエルと諸国民とヤハウェ
5 文学としてのヨブ記




