内容説明
神聖な書『旧約聖書』に収められた「雅歌」をイスラエル人画家による官能的な美しい絵とともに純粋な文学作品として味わう、大胆かつ挑発的な試み。
著者等紹介
秋吉輝雄[アキヨシテルオ]
1939~2011年。東京生まれ。旧約聖書、ヘブライ語研究、古代イスラエル宗教思想史研究者。1970年、立教大学大学院博士課程修了。1966年、イスラエル・ヘブライ大学に留学。立教女学院短期大学教授(2010年まで)。1973年より、カトリック=プロテスタント共同訳(『聖書 新共同訳』)において、聖書翻訳(旧約と続編)編集委員として、その編纂に参画
池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年、北海道生まれ。詩人・小説家・翻訳家。1987年、『スティルライフ』で芥川賞受賞。1993年、『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞を受賞。1974~77年、ギリシャへ移住、2004年からはフランス・フォンテーヌブローに定住する。豊富な欧州生活体験から、日常生活を通じてキリスト教文化を見つめつつ、世界的視野に基づく創作・評論活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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棕櫚木庵
17
聖書は,若い頃岩波文庫で数冊を読んで深い感動を覚えたが,その後は『新共同訳』(1987)で必要箇所を参照する程度.しかし,『雅歌』だけは違う.参照の必要がないときにも時々読み返していた.恋愛詩集として.ところが,敬愛する池澤氏が係った『雅歌』の訳があると聞いて取り寄せてみた.それがこの本.訳者の秋吉氏は『新共同訳』にも参加したヘブライ学者.本書では,恋愛詩集としての面が『新共同訳』よりも一層はっきりしている.シュラガ・ヴァイル氏の魅力的な挿絵もあり,私の愛読書の一冊. 2020/03/13
Gladcolza Bambootail
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旧約聖書に載ってるとは思えない情熱的な女性達の言動と「神様」という言葉が想像以上に少ないのに驚きました。聖書は訳者次第で読み方がものすごく変わる、という当たり前でいて歴史的にはとても厄介な問題だった事案を目の当たりにしました。2017/05/25




