内容説明
キリスト教学と神学はいかなる関係にあるのか。厳密な学問研究の精神を根幹とし、理性の立場からキリスト教信仰を理解する「キリスト教学」は、教会的地盤に立つ「神学」とは一線を画するものである。本書では両者の関係と相違という問題を掘り下げ、フランク、レッシング、シュライアマハー、トレルチ、ニーバーらの思想の特質を考察するとともに、哲学的人間学の確立と人文学の再構築の必要性を説く。キリスト教学の第一人者による集大成的論集。
目次
第1部 「キリスト教学」の理念(いま「キリスト教学」を問う―学問史的考察;キリスト教理解とその方法について―キリスト教の反省的自己理解の道;キリスト教と人格教育―朴憲郁先生の主題講演へのコメント;《キリスト教学》の再検討―有賀鐵太郎遺品資料を踏まえて)
第2部 「キリスト教学」の実際(セバスティアン・フランクの根本思想―「見えざる霊の教会」の思想;レッシングとスピノザ―「ヘン・カイ・パーン」をめぐって;シュライアマハーの『キリスト教信仰』―教義学の新しいモデルの探求;トレルチの「宗教史の神学」の越境性―キリスト教の《文化科学》としての神学;ニーバーの「中間時」の思想―レッシングおよびトレルチとの関連も含めて;恐れ/畏れを生きる―一キリスト教思想史家の視点)
第3部 人文学/人文科学と「キリスト教学」(人文学をどう再構築するか―新しい人文学への一つの試論;「わたしの著書」―Einzelg¨angerの足跡)
著者等紹介
安酸敏眞[ヤスカタトシマサ]
1952年生まれ。京都大学大学院博士課程およびヴァンダービルト大学大学院博士課程修了。現在、北海学園大学学長。Ph.D.、京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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