内容説明
宗教改革の知的な諸起源を後期中世のスコラ学と人文主義に求め、さらにその神学的源泉と方法を精査し、地域的に複雑で多様な後期中世と宗教改革期の“連続”と“断絶”を明らかにした画期的な書!ルターを中心とした宗教改革「神話」を打破し、新たな宗教改革研究の可能性を切り拓く。
目次
第1部 知的な文脈(後期中世における宗教思想の輪郭;人文主義と宗教改革;後期中世の神学と宗教改革)
第2部 源泉と方法(聖書―翻訳、テクストそして伝統;聖書の解釈;教父の証言)
結論 初期宗教改革の知的な諸起源の異種混交性
著者等紹介
矢内義顕[ヤウチヨシアキ]
1957年生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期修了。神田外語大学助教授を経て、早稲田大学教授
辻内宣博[ツジウチノブヒロ]
1975年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、早稲田大学商学部准教授
平野和歌子[ヒラノワカコ]
1982年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、龍谷大学文学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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宗教改革の主流の第一世代 人文主義の浸透 反聖職者主義 スコラ学への反感 教理の多様性 教会の権威の不安定性 公会議主義 神の主権 ルターの義認論 ペラギウス主義批判 中世の「異端」 ルネサンス人文主義 エラスムス 文学の共和国 (スイス) 生活と道徳の改革 新アウグスティヌス学派 ヴルガータ訳への挑戦 原典に立ち返る精神 コンマ・ヨハネウム (エラスムスの削除) 聖書と伝承 (二つの源泉/単独の源泉) 解釈学 四重の意味 文字通りの意味 (聖書解釈) 宗教改革の異種混交性 知的潮流の複雑な絡み合い2025/04/21
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後期中世・宗教思想の輪郭:俗人宗教出現・教会内部における権威危機・教理の多様性展開・宗教改革の先駆者たち 人文主義と宗教改革:改革派教会・ルター派教会の諸起源 後期中世の神学と宗教改革:唯名論・新アウグスティヌス学派・改革派神学とルター派神学の諸起源 聖書:ウルガタ訳・人文主義者の源泉への回帰・伝承という概念・聖書のみという原理 聖書の解釈:スコラ学・人文主義 教父の証言:スコラ学・人文主義・ルター派教会 初期宗教改革の知的な諸起源の異種混交性2021/01/27