内容説明
「無教会」という思想は、どのような聖書解釈をもとに形成されていったのか?内村の義認論から、信仰共同体論、そして足尾銅山事件などにも取り組んだ社会改革論に至るまでを、彼の聖書解釈テキストをもとに解き明かす。『聖書之研究』をはじめとする膨大な資料を渉猟しながら、内村の思想の全貌を明らかにする画期的な研究。
目次
第1章 はじめに(内村鑑三研究の意義と現状;日本キリスト教思想史研究の現状/日本キリスト教史研究の手法;内村鑑三研究において本稿がもちうる意義―題材としての聖書解釈)
第2章 内村における個人の問題(個人の信仰;罪と義と自己の問題;内村における神と人間;内村における自由の問題)
第3章 内村における信仰共同体の問題(個人と社会をつなぐものとしての信仰共同体;信仰共同体の問題)
第4章 内村における社会の問題(個人の信仰が社会へと広がっていく仕組み;信仰と社会的実践)
第5章 まとめと展望(内村のキリスト教思想の特徴;日本社会での公共性構築における、キリスト教の可能性;信仰と道徳;ルールとしての律法;国家論)
著者等紹介
岩野祐介[イワノユウスケ]
1971年名古屋市生まれ。京都大学文学部卒、同大学院文学研究科満期退学(キリスト教学専修)、同大学で博士学位(文学)取得。2008年4月より、関西学院大学神学部教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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