ロゴスとソフィア―ヨハネ福音書からグノーシスと初期教父への道

ロゴスとソフィア―ヨハネ福音書からグノーシスと初期教父への道

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  • サイズ A5判/ページ数 296,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784764272002
  • NDC分類 193.64
  • Cコード C3016

内容説明

新約聖書の『ヨハネによる福音書』からは「ロゴスの受肉」と言う、初期教父の正統信仰へと発展する線が見られるが、他方において「ソフィアの過失」と呼べるグノーシス主義者による福音書の再解釈が生じていった。ここにはいかなる事情が隠されていたのか。複雑極まりない初期キリスト教思想史の歴史的連開を綿密な考証によって読み解く。

目次

1 ロゴスの受肉とソフィアの過失―ヨハネ福音書とグノーシス主義における「光」と「闇」
2 ヨハネ福音書とグノーシス主義―ブルトマン学派のヨハネ解釈によせて
3 グノーシス主義とエイレナイオスの自然観
4 ユスティノス、タティアノス、エイレナイオスの聖書論
5 エイレナイオスにおける「再統合」と救済史

著者等紹介

大貫隆[オオヌキタカシ]
1945年静岡県浜松市に生まれる。1968年一橋大学社会学部卒業。1980年東京大学大学院人文科学研究科西洋古典学博士課程修了。1979年ミュンヘン大学神学部(プロテスタント)神学博士(Dr.Theol.)学位取得。現在東京大学大学院総合文化研究科および教養学部教授。新約聖書学・古代キリスト教文学専攻
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感想・レビュー

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マウリツィウス

9
ヨハネ福音書が明確区分したロゴス概念の証明はグノーシスを根底否定する根拠を成立させる反駁の機能を予測した性質であるのは成立背景を考慮すれば鑑みられる。ここで難点とされるのは異端創始者の立場にある一派を死滅させるために古代キリスト教会の選択した道であり殉教の証明としての使徒信条は異端廃絶論に援用されることにもなる。省みられる課題は使徒教父の汚名を変えた福音書に見られる救済の万有適応であり異邦人の救いを意味した福音は異端を消し去ることを望んだのではなくより高次領域、新機軸信仰のキリスト教へ革新させたことだ。2013/05/06

いとう・しんご

7
ブルトマン「ヨハネの福音書」きっかけ。'79年から'00年までの論文5本を収載。ロゴスはヨハネ福音書の冒頭に出てくるキーワード(ことば)。ソフィアはグノーシス的二元論を媒介する帰昇のための知恵(護符みたいなもの?)。混交宗教として初代キリスト教を両方の側面から考察しようとしているけれど、第2論文と第5論文の結論部分はちょっとグッときました。ヨハネ福音書記者は伝承を精査する中で復活に心燃え立たされていた、だからこそ、先在の、永遠のロゴスを時間軸に沿った福音書という形式で書きたかったんだ、と言うお話でした。2024/06/08

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