内容説明
原始キリスト教会の信仰は、人間の行動と体験とに大きな変革をもたらした。パウロは、この原始キリスト教会の宗教的体験と行動にとって、現実のモデルであった。教会はパウロのモデル行動を通して、キリストという象徴モデルを理解したのである。著者は、心理学の方法論を縦横に駆使して、パウロの行動と体験を可能なかぎり記述し、説明しようと試みる。
目次
序論 宗教心理学的釈義の理論的諸問題
第1章 心に隠されたもの―パウロ神学による無意識的な動機の暴露
第2章 モーセの覆いと律法の無意識的側面
第3章 律法と罪―ローマ人への手紙7‐23における葛藤の意識化
第4章 グロッソラリア―無意識の言語
第5章 高度な意識としての、円熟した者たちの知恵(1コリ二6‐16)
結論 行動・体験を変革するパウロの宣教の働き