内容説明
明治期に輸入された近代的イデオロギーは、日本の封建的イデオロギーと対決しつつ、どのような役割を果たしてったか。地租、労働問題、足尾鉱毒事件、社会主義、キリスト教主義学校、被差別部落解放、明治天皇の死など、社会・経済・人権・宗教についての13篇の論考をとおして、キリスト教と社会思想の展開を概観する。
目次
1 明治時代における社会主義とキリスト教―土地問題を中心とした明治初期の概観
2 ガルストの単税経済論―付・ガルスト研究の新資料
3 明治中期における地租増徴論―田口卯吉を中心として
4 明治20年代における田口卯吉と労働問題―その社会経済思想的考察
5 明治後期キリスト教の社会的性格―20世紀大挙伝道を中心として
6 日本近代化の過程におけるキリスト教学校教育の問題―文部省訓令第12号をめぐって
7 明治期における部落解放論―その社会思想史的考察
8 田中正造論―社会思想史的一試論
9 足尾鉱毒事件と週刊『平民新聞』
10 鉱毒問題とキリスト教徒―田村直臣の場合
11 足尾銅山鉱毒事件と明治学院
12 台湾・山地人社会におけるキリスト教受容の―その歴史的・社会的素描
13 社会思想史的にみた明治天皇の死とキリスト教―井深梶之助の場合