内容説明
『後世への最大遺物』は「失敗学」の書だった!正宗白鳥、西田幾多郎、矢内原忠雄、森敦、木下順二…。無名の青年時代に『最大遺物』に出会い、座右の書とした人たちがいる。失意にあるとき、人は何を読んで立ち上がるのか―。
目次
第1部 内村鑑三と『後世への最大遺物』(内村鑑三の半生;『後世への最大遺物』の講演;講演後の生活)
第2部 『後世への最大遺物』の読者たち(最初の読者たち―倉橋惣三ほか;古代ハスの開花まで―大賀一郎;パナマ運河と治水事業―青山士;詩人の条件―正宗白鳥 ほか)
第3部 『後世への最大遺物』(改版)
著者等紹介
鈴木範久[スズキノリヒサ]
1935年生まれ。専攻、宗教学宗教史学。立教大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無意味への献身
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内村鑑三の残した名演説「後世への最大遺物」が生まれるまでの内村の道のりを掉尾に置き、この演説を読み感銘を受けた近代日本の人物が紹介されます。特に青山士など、まさにこの演説の通りの足跡を残した人だと思います。 米国に留学中の学生たちから著者のもとへ送られた感想文も、現代の若者がこの演説をどう受け止めたかという点で興味深いものです。 後段ではこの演説が全文収録され、岩波文庫版よりも大きな文字で改めて読むことができます。 このような本が生まれても不思議ではない素晴らしい演説だけに、著者には感謝です。2021/01/01