感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
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背景:ルネサンス期教会の腐敗 シモニア ネポティズム 贖宥状販売 人文主義の影響 聖書研究 批判精神 ルターの改革 贖宥状批判 九十五箇条提題 信仰義認説 聖書のみ ローマ教会との決別 ドイツ語訳聖書 影響大 ツヴィングリ:スイス改革 聖餐論でルターと対立 カルヴァン:ジュネーブ改革 予定説 教会組織整備 各国動向:イングランド国教会設立 フランス ユグノー戦争 オランダ独立戦争 対抗宗教改革:カトリック教会内部改革 トリエント公会議 イエズス会活動 影響と終焉:ウェストファリア条約 主権国家体制確立2025/04/18
梨音
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キリスト教書籍で知られる教文館のシリーズだが、本書は「歴史家として」と著者も言明している通り、門外漢にも読み応えのある西洋史になっている。ルターに端を発した百花繚乱のプロテスタント思想の差異も丁寧に説明されている。特に「神権政治の主宰者」としてルネサンス期としては時代錯誤な印象を一般に与えていたカルヴァンに関しては、訳者解説にもある通りその生涯や思想を丹念に辿り、従来の理解を一新している。高校の世界史の知識があれば十分に楽しく読めるはずなので、オススメの1冊。2016/01/28
call
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初めて読んだ「はじめての」シリーズ。宗教改革という近世の一大イベントを簡潔にまとめている。歴史的な視点からは宗教改革は近世欧州の政治、国際関係、社会の基盤に大きな地殻変動を起こしたことがわかる。宗教的な観点からはカソリック、プロテスタントの立場の違いが(顕著な例でいうと聖餐論争)まとめられている。読み応えがある一方で同時に、筆者の文の達者さからクスリとさせるような記述もあり本棚においておく価値がある本だ。2016/12/10
nickandhannah
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好評の「はじめて」シリーズ最新刊。「宗教改革」という重要な歴史を、とても良くまとめている一冊でした。只、「はじめて」の人にとっては、恐らく難易度が高過ぎて、読み難いかも知れません。反面、それだけ内容が濃いという証拠でもあるのでしょう。また、従来の宗教改革者の聖餐論理解に対して新たな見解と解釈を提唱している点は、この本の特徴であり、大きな貢献をしていると思いました。訳者の特徴も出ていて、更に内容が豊富な一冊となっていて、一読の価値は大いにありです。2015/11/27