内容説明
衝突から和解へ。唯一神教であるがゆえに多くの類似点を持ちながら、不幸な歴史を重ねてきたユダヤ教・キリスト教・イスラーム。それぞれの宗教が聖典とする旧新約聖書とコーランに共通するエピソードや神学的テーマの類似点と相違点を、歴史的・批評的研究を用いて明らかにする。宗教間対話の可能性を探る画期的な試み。
目次
第1章 歴史的な背景(ムハンマド以前のアラビアにおけるユダヤ人とキリスト教徒;ムハンマドとイエス―伝記的な問題;相互の歴史的な認知)
第2章 聖書とコーラン―全般的な比較(聖書とコーランの成立;価値と評価;概観と構成;コーランの中の聖書;具体的なイメージに富んだ表現について)
第3章 神学的なテーマ(神観;神の被造物としての世界;創造の仲介者;神の使徒(使者)たちの派遣とその運命
イエス‐キリスト論
コーランの中にイエスの言葉はあるか
アブラハムへの共通の依拠
人間観
終末論
ユダヤ人‐キリスト教徒‐ムスリム
倫理的な訓戒―十戒、聖争など)
著者等紹介
矢内義顕[ヤウチヨシアキ]
1957年、東京生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期修了。神田外語大学助教授を経て、早稲田大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿呆った(旧・ことうら)
16
◆聖書とコーランの比較◆<類似点>1啓示宗教•一神教/2世界は神の被造物/3人類がアダム(人間の創造)に起源/4死者の復活•審判の日を待望 等<相違点>1キリストが頂点⇄コーラン『神自ら』が書物に啓示/2キリストは『預言者を超えた御子』⇄コーランはこれを攻撃/3コーランはキリスト教の救済思想を理解しない/4ムスリムにとってアブラハムは神への信仰の『創設者』キリスト教『信仰の模範』等◆コーランが旧約聖書を参考にしているので、出発点にキリスト教との共通点が見られるが、思想展開上においてかなりの相違点がある。2016/01/03
日和
2
最近さらに世間を騒がせている中東周辺の宗教問題。その争いの始まりはいつなのだろうとふと疑問に思い、手に取った一冊。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教それぞれの基本的な起源から、本格的な神学の議論までかなり広義の内容だった。宗教の対話や相互理解など、あらゆることを考えさせられる一冊。2015/03/29
yumio
0
とにかくカッコ書きが多くて、読みづらかった。 2012/07/12