内容説明
多様化・多元化した時代の一般的・社会的「道徳」にたいして、キリスト教倫理学はどのような貢献ができるのか。エディンバラ大学の組織神学教授をつとめる著者が、K・バルト、S・ハワーワス、A・マッキンタイアらと対論しつつ、現代におけるキリスト教共同体の形成と倫理の根拠を考察する。
目次
第1章 序
第2章 キリスト教倫理学の独自性
第3章 教会倫理学―スタンリー・ハワーワス
第4章 最近の哲学における道徳的実在論
第5章 徳、伝統、神―アラスデア・マッキンタイア
第6章 共同体論とその批判者
第7章 結論
著者等紹介
関川泰寛[セキカワヤスヒロ]
1954年、東京に生まれる。1977年、慶応義塾大学経済学部卒業。1980年、エディンバラ大学神学部卒業。1983年、東京神学大学大学院博士課程前期課程修了。東北学院大学助教授、泉高森教会牧師を経て、現在東京神学大学教授、日本基督教団十貫坂教会牧師
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感想・レビュー
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うえ
7
極限までの個人の尊厳はどこまで行くか「ベラーの社会学的著作において、アメリカ社会における個人主義が蝕む結果が、注意深く探求されている。『心の習慣』は、トクヴィル的様式によって、伝統的な共同体の生の形態とボランタリーなアソシエイションの中で生じる崩壊によって引き起こされた社会崩壊とアノミーの意識を指し示している…パットナムは、一人でボーリングをする人々の増大という驚くべき例証を挙げた。80年から93年にかけて、アメリカのボーリング人口は10%増加した。それに対してチームでボーリングをする者は40%減少した」2020/07/01