内容説明
本書は、40年の間社会主義体制下の東ドイツでキリスト者として国家からのさまざまな脅迫や弾圧を経験しながらも、正義と平和を祈り求め、発言してきた人々が、1989年秋の〈非暴力革命〉の渦中にあって実際に経験したことを、自己批判的に解明しようとした総括的・証言的ドキュメントであり、貴重な資料である。
目次
現実への問い―1989年8月マクデブルクからの書簡
教会の屋根に降りそそいだ長雨―避難者の視角から。DDR福音主義教会連盟
朽ちた梁がたわんでいた―5月7日の不正選挙
外への道―DDR市民の流出
良くも悪しくも共に導かれて―「教会と共にあったグループ像」。過去と現在からの洞察
日毎の協力の途上での失意―国家と教会の出会いの節目
「そしてわれわれは弱く、そしてわれわれは小さい…」―教会が国家権力装置と力を競う
場違い―自負心とうぬぼれ―公開性のなかの教会
向きを変えてはならない、わたしのページ―DDRにおける教会出版
ある歴史的経験の共通基盤―教会と円卓会議
「平和を実現する人々は幸いである…」―ライプツィヒの聖ニコライ教会における平和の祈り
市のために見張り、祈ること―ドレースデンの例におけるキリスト者共同体と市民共同体
長い冬眠から目覚めて―公同教会性への解放
「この地の穏やかな人々」が列に加わった―自由教会は改革の出来事でどこにその場をもっていたか