内容説明
農民は宗教改革者たちと同じ要求―純粋な福音、司祭選挙、共同体による教義決定―をもち、反キリスト教的体制に抗して農民戦争を起した。しかし、宗教改革者たちが領邦君主と結びつくと、農民は鎮圧された。政治史、社会史的資料研究をふまえた、挑戦的な概説書。
目次
第1部 教会と宗教改革(民間信心と教会批判―宗教改革運動の発端の状況;神学の基本的見解とその社会倫理的帰結;宗教改革神学の多様性)
第2部 社会と宗教改革(貴族の宗教改革神学受容;宗教改革―「都市の現象」か;福音対封建制―農村社会における宗教改革神学の受容;宗教改革少数派の辺境への逃避―歴史からの再洗礼派の脱出;宗教改革と社会―図式的な解釈の試み)
第3部 国家と宗教改革(ヴォルムスからシュパイヤーへ―領邦国家単位での宗教改革の定着;カッペル戦争とシュマルカルデン戦争―宗教改革をめぐる軍事的対決;1555年のアウクスブルク帝国議会と宗教和議;宗教改革の政治的利用)
宗教改革―帝国における時代の変り目か